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個人と社会の変革

精神性と物質性の調和、そして草の根から世界全体までのつながりという課題は、個人と社会の相互作用という問題とも密接にかかわっています。現代は、これまでかつてないほどに、この二つの要素が強く影響し合う時代です。それは、教育の向上と普及とにより、階級や家庭の背景に関わりなく、より多くの人々が社会に進出し、社会生活に関与することができるようになったからです。それはまた、上述の科学技術や交通手段の発展にもよります。個人の活躍の場は、もはや出身地にとどまることはなく、国を超え国境さえも越えていきます。また、インターネットの開発により、自宅に居ながらして日本全体へ、あるいは世界全体へメッセージを発信することもできます。逆に、社会もまた個人に影響を及ぼします。インターネットに代表されるように、コミュニケーション手段の発達は、世界中の至る所に、音楽や映画や文学など世界規模で影響を及ぼし合います。また、一国で起きることは他の国にも影響を及ぼします。戦争もそうですし、テロリズムなどの行為、政治事情や経済状態も影響を及ぼします。保健衛生でさえ、一地域の病気は飛行機と共に他の国や地域へ旅行し、広めてしまいます。もはや自分の世界にさえ閉じこもっていればいいなどと言うことさえできなくなってきています。

したがって、上述のように、個人の精神性を高める、徳性を開発する訓練を提供するにしても、それは社会といったものを視野に入れたものでなくては意味が半減します。つまり、自分と社会との関わりという意味合いで、自分の徳を磨いていく必要があるわけです。