万国正義院
2015年12月29日
大陸顧問団の大会に宛てて
心から愛する友らへ
1. バハイ世界がおよそ5年前に乗り出した計画は最終段階に達しました。この成果を示す数値はまだ上昇していますが、その締め切りは迫っています。その計画が促した集団での努力は、親切なる主が彼の愛し給う者らに授けられた力を心から信頼することを必要としました。振り返りのこの時にあなた方と一堂に会して、私たちは現行の計画に有終の美を飾ろうとしている友らの決意と、経験が明示する道に沿ってさらに前進しようという熱意を感じとりました。
2. その進路に沿って既に進んだ相当な距離は、現行計画のもっとも顕著な成果から明らかです。集中の度合いはどうであれ、成長のプログラムが展開されているクラスターの数を5,000にするという高い目標は、2016年レズワンまでの残りの数ヶ月で達成される見通しです。何十ものクラスターで、千を超える、時には何千もの住民が、増え続ける人数を包み込むしっかりと根付いた活動パターンに参加して、バハオラの啓示に根ざした思考および行動の習慣に基づく共同体を立ち上げています。世界中で、50万人が、人材育成のシステムの確かな基盤を築くという驚くべき達成である、連続するコースのうち少なくとも最初のブックを今や完了しています。自分たちは新しい世界の建設にどのように貢献できるかという、人を動かさずにはおかないビジョンによって若い世代が行動を起こしています。目のあたりにしたことに驚嘆したある地域のリーダー達は、若者たちの教育のためにそれらのプログラムを広く普及させるようバハイたちに求めています。更なる複雑化に直面し、バハイの機構とその諸機関は、提携と相互援助の促進によって増え続ける友人たちの活動を組織する方法を見出しています。そして、前の計画から受け継いだ極めて貴重な遺産である学びの能力は、拡大と強化の領域を超えて、バハイによる継続的な努力の他の分野、特に社会的行動や一般社会に浸透している論議への参加の分野を包含するまでになっています。私たちは、20年間の絶え間ない努力から生じた力と苦労して獲得した経験という賜物によって強化された共同体が、集団加入のプロセスを大きく促進させるという共通の目標に焦点を合わせた姿を目にしています。
3.このプロセスがもっと先に進むべきものであることは疑いようもありませんが、それでも、なされた発展から、既に大きな進展があったことは確かです。それは、一層過酷な試練に向けて、神の友人たちの能力を準備し、その要求を満たすために友人たちを奮い立たせるあなた方の機構にも大きな要求を突きつけるものなのです。これから始まる計画は信教の形成時代の二世紀目の始めに終結しますが、私たちは、その計画でこれまでの五つの計画で大いなる愛情を込めて、根気強く蒔き、水を与えて育ててきた種が実を結ぶのに必要な莫大な努力を各地の信者に呼びかけます。
成長のプログラムの出現
4. クラスターにおける成長のプログラムの展開は、聖なる教えに触れた人々の受容性によって形づくられるそれぞれの状況で、当然ながら特有の様相をもちますが、ある共通の性質に従います。それらの多くはあなた方の2010年大会に宛てた私たちのメッセージで論じられ、そのなかで発展の道の進化を標す一連の道しるべに言及しました。私たちが描いた一里塚、そして二里塚を通過するために、クラスター内の友らに何が求められるかということについて集団としての理解がこの期間に深まりました。
5. 今終ろうとしているこの5年計画で信者たちが直面している課題は、以前のいくつもの計画で学んだことのすべてを、何千もの新しいクラスターにおける成長のプロセスを拡大する活動に適用させることです。それによって分かったことは他のクラスターの友人たちの援助を取り入れる機構の能力が肝心であるということで、たとえば、援助のためにティーチング・チームやチューターの訪問を手配することによって、既存のバハイ共同体の活動を強化することができます。多くのところで、インスティチュート・プロセスはより力のある近隣の共同体の信者による援助で始まります。地域の人たち、とりわけ若者と交流するため、またその人たちが奉仕活動を始めるときに援助するため、その近隣から来た信者たちは独創的な方法を見つけます。クラスター、特にまだ誰も信教を知らないクラスターにおいて活動を活気付けようとする上で、一人かそれ以上の個人が国内パイオニアとしてそこに定住し、受容性が高いと見られる村の一画、あるいは一つの通りに注目をすれば、その努力が大いに強化されます。既に4,500を優に超える信者が現計画の期間中にこの方法で奉仕に立ち上がっています。これはめざましい成果です。
6. 使われる戦略の組み合わせがどうであれ、その主たる目的はクラスター内の能力を築くためのプロセスを開始することであり、それによって、自分たちの共同体の精神的、物質的な福利に貢献したいという願いに刺激された住民たちが奉仕活動を開始できるようにすることです。この基本的な必要条件がひとたび満たされれば、成長のプログラムは誕生したことになります。もちろん、顧問補佐とそのアシスタントたちによるサポートは不可欠であり、彼らが活動の始動時点から密接に関わることによって、友人たちは、必要とされていることについて、明瞭かつ一致したビジョンを維持するのを助けられます。
行動パターンの強化
7. やがて、クラスターの中に、一緒に働き、協議し、活動を調整する友人たちの中核ができます。成長のプロセスがさらに前進するためには、これを主体的に継続する意思を共有する人々の数が増え、この計画の枠組みの中で系統的に行動する能力はそれに相応して高まらなければなりません。そして、生命体の発達と同じく、適切な条件が整えば、成長は一気に進められます。
8. これらの条件の中で最も重要なことは、インスティチュート・プロセスが力をつけていることです。なぜなら、それは全住民による運動(movement)の促進に中心的役割を果たすからです。インスティチュートの教材を学習し始め、子どもクラス、ジュニアユース・グループ、祈りの会、あるいはその他の関連活動を開始することに自分の活力を注いでいる友人たちは一連のコースをさらに進むよう助けられ、同時に、これらの学習を開始する人の数は増え続けます。インスティチュート・コースを進み、活動の場に入る参加者の流れが維持されることによって成長のプロセスを支える仲間が増えます。進化はチューターとして奉仕する人たちの活動の質に大きく左右されます。この初期の段階では、それらチューターのほとんどは、いまだ他のクラスターから来るかもしれませんが、同時に、数人の地元の友人たちが少しずつ育ち、自分が行動する能力が高まるとともに、他の人々がインスティチュートの教材を学習するのを助け始めます。地元クラスター出身のチューターの最初の中核部隊を誕生させる過程で、二つの望ましくない結果とならないよう舵取りをしなければなりません。参加者がこのインスティチュート・コースをあまり性急に進むと、奉仕の能力が十分に発達させられず、逆に、学習の歩みがあまりにゆっくり過ぎると、そのプロセスは前進に必要な活気を奪われます。様々な状況において、学びの速度と能力の習得に必要なバランスを取るために創造的な解決法を用いることで、クラスターに住む人の中から妥当な期間内に、数人がチューターとして奉仕することを可能にします。
9. もちろん、前進をもたらすのはトレーニングをすることだけではありません。もし各人が奉仕の場に入るためにアカンパニーするための手配が迅速になされなければ、能力を築くための努力は目標達成には至りません。適切なサポートの領域は言葉による激励の域を遥かに超えます。馴染みのない任務を引き受けようとするとき、いくらか経験のある人と一緒に活動すると何が出来るか認識できるようになります。実用的な面での援助を必ずすることで、自信のない人を、活動を始めるよう勇気づけることができます。そして、人々は自分たちの理解を共に高め、その時点で各自が得た洞察を謙虚に分かち合い、奉仕の道を旅する仲間から熱心に学ぼうとします。躊躇は消え、個人が独自に活動を実施し、次いで、同じ道で他の人に寄り添うようになるほどまでに能力が高められます。
10. インスティチュートに関しては、そのコースに継続して参加する人の流れによって、参加者が子どもたちの教師として、アニメーターとして、またチューターとして奉仕し始めるにしたがい、彼らを系統的にサポートする必要性が増します。教育的な活動で既にある程度の経験がある、核となる信者たちの間に、その活動に新しく関わり始めた人たちを助ける機会が当然生じます。他の人々が奉仕の活動に向かうのを助ける準備ができている人には、特定の任務が割り当てられるかもしれません。こうして、教育課程の三つの段階における各コーディネーターが必要に応じて徐々に出現します。彼らの活動は常に、他の人々の能力の向上を見たい、協力と互助に根ざした友愛を育てたいという望みに動機付けられています。
11. 明らかに、インスティチュート・プロセスはいろいろな取り組みに対応する能力を高めます。コースの最も初期の段階から、参加者は友人の家庭を訪問し、一緒に祈りを学ぶか、あるいはバハイの教えからのテーマについて彼らと分かち合うよう励まされます。これらの継続的な努力において友人たちをサポートする手配は、たいてい当初は形式ばらないものですが、やがてそれだけでは不十分となり、このことが地域布教委員会(ATC)結成の必要を示すものとなります。地域布教委員会の任務の焦点は、クラスター内に行動様式を継続的に広げるために各人を動員することですが、それはしばしば、チームの結成を伴います。そのメンバーは皆を集団での事業における潜在的な協働者と見るようになり、その共同体に共通の目的意識を養うという自分たちの役割を認識します。委員会が設置されると、祈りの会や家庭訪問の実施、信教の布教という既に進行中の活動はかなりの拡大が可能になります。あなた方はトレーニング・インスティチュートにこれまでそうしてきたのと同じように、全国精神行政会や地域協議会に対しても次の点に注意を払うよう促す必要があるでしょう。つまり、クラスター内にある一定の形の組織的な調整が必要となる時期について、公式の組織の出現が時期尚早であったり、不当に遅らされたりしないよう注意しなければならないということです。
12. 個人と同じく、クラスター内に出現している諸機関は、それぞれの任務を遂行するとき援助を必要とします。顧問補佐たちがこの面で提供する援助は不可欠ですが、それは地域協議会の、協議会が存在しない場合は全国精神行政会の重要な責務でもあり、同様にトレーニング・インスティチュートにとっても喫緊の関心事です。クラスター内の信者がガイダンスを学習し、ガイダンスに照らして自分たちの活動を振り返り、そこから洞察を引き出すことができ、そしてまた、周囲のクラスターやさらに遠くの地域で得られた一連の知識とつなげられるような場をもつ時、クラスター・レベルで効果的に奉仕する能力は高められます。そのような場では、抽象的な計画を立てる代わりに、その時点でのクラスターの現実を把握し、進歩を促すための次の手段を見極めることを目指した協議がよく行われます。地域、あるいは全国のレベルで奉仕する人々は友人たちに助言し、何が達成できるかについてのビジョンを広げるために多くのことができるかもしれませんが、計画の過程で自分の期待を押し付けるようなことはしません。むしろ、クラスター内で働いている信者たちが、共同体の草の根で集積されつつある経験や、実際の状況についての知識に導かれた一連の活動を編み出し、実行する能力を徐々に育てるのを助けます。クラスターの諸機関の学び、系統的に活動する能力を発達させるために、地域および国レベルの機構は彼らを助ける努力において、慎重で、系統的である必要があります。顧問補佐によるこの仕事へのサポートは、成長のプロセスの各要素に必須とされる特質を獲得させ、あらゆる継続的な努力の高潔性と一貫性を維持することを確かなものにするでしょう。
13. 活動を通して学びたいという衝動は、もちろん、開始当初から友人たちの中にあります。活動の3ヶ月周期の導入は、この現れつつある能力を活用し、その着実な強化を可能にします。この能力は特に周期の振り返りと計画の時期、とりわけ脈打つ心臓の鼓動を調節する振り返りの会と関連しますが、それはまた、この周期のすべての時点で、関連する活動の行程に従事する人々によって用いられるようになります。私たちは次のことに注目しています。つまり、学びが加速するにつれ、友人たちは大小さまざまな挫折を乗り越える力を身につけていきます。挫折の根本的な原因を診断し、そこに潜在する原則を探求し、関連する経験を生かし、改善策を見極め、進歩を評価する、これを成長のプロセスが完全に活性化されるまで行います。
14. クラスターで進化している活動パターンの中心は、神の御言葉を介してもたらされる個人、および集団の変革です。一連のコースの初めから、参加者は礼拝、人類への奉仕、魂の生命、子どもやユースの教育といった重要な課題について考えることでバハオラの啓示にめぐり合います。人が神の創造的な言葉について学習し、深く考える習慣を身につけると、この変革の過程は、有意義な会話において、深遠な概念の理解を表現し、精神的現実を探究する能力として現れてきます。このような能力は共同体内の交流を一層強く特徴付ける高められたディスカッションのなかだけでなく、バハイのユースとその仲間の間はもとより、さらには共同体の教育プログラムの恩恵を受けている娘や息子をもつ両親たちとの間にまで及ぶ、広い範囲で進行中の会話にも表れているのです。この種のやりとりを通して、精神的な力についての意識が高まり、表面的には対立しているように思えるものは予想外の洞察にとって代わり、一体感や共通の使命感が固められ、より良い世界を創ることができるという確信が強まり、行動に対する覚悟がはっきりしてきます。このような特徴的な会話によって、次第に多くの人々が惹きつけられ、共同体のさまざまな活動に参加するようになります。信仰や確信というテーマは、活動に関わる人々の受容性や経験に促されて、自然に浮かび上がります。明らかなことは、クラスター内のインスティチュート・プロセスが勢いを増すにつれて、ティーチング活動が友人たちの生活のなかでより重要な位置を占めるようになるということです。
15. 進展が続くにつれ、発達中の、有意義な会話の能力が機構の計画に活用されます。活動の周期が正式に現れる頃には、この能力は各周期の成果を大きく左右する拡大期を通してさらに刺激されます。各拡大期の細かな目標は、当然、クラスターの状況やそこにあるバハイ共同体の事情によって異なります。ある場合、その主たる目的は核となる活動への参加者を増やすことであり、またある場合には信教に入信する用意ができている人を見つけることです。バハオラご自身について、あるいはバハオラの使命の目的についての会話は、ファイヤサイドや家庭訪問を含め、多様な状況下で生じます。この段階で実施される行動によって、関連するインスティチュート教材を学習することで培われた能力が活用され、洗練されます。経験を積むにつれて、友人たちは耳を傾けてくれる人を見つけたときにそれを見分けること、メッセージを分かち合う上でより直接的であるときを決めること、理解を妨げるものを取り除くこと、大業を受け入れるよう探求者を助けることに熟達するようになります。チームで活動するやり方は友人たちが一緒に奉仕し、互いに助け合い、自信を築くことを可能にしますが、個々で活動するときでも、より大きな効果を得るためにそれぞれの努力を調整します。彼らは焦点を合わせることと、時間を投入することによって、周期における、この短いながらも決め手となる時期に必要とされる集中度を確保します。毅然とした決意の精神は共同体の力を倍増させるのを助け、また、各周期で、友人たちは自分たちの行動が引き寄せる天上からの強力な確証に一層しっかりと頼ることを学びます。
16. 5年前、集中的な成長のプログラムが定着したクラスターの大部分は既にかなりの数のバハイが住んでいて、地理的に分散していることが多かったです。友人、仕事仲間、親族、知人たちの参加を促す活動を進める友人たちの努力はクラスター全体の活動レベルを引き上げることに大いに貢献しました。実際、この方法で参加者の輪を広げることはバハイ生活で良く知られた側面となり、今後も必須です。同時に、経験は次のことを示唆しています。つまり、インスティチュート・プロセスに入る新しい参加者の着実な流れを通して成長を加速するためには、もっと多くが求められるということです。共同体生活のパターンは受容性が湧き起こる場所、つまり集中した活動を持続できる小さな人口の中心地で発展していかなければなりません。このような狭い範囲で共同体づくりの仕事を行うとき、共同体生活において連動する側面が最も首尾一貫して表現されるのはそこであり、集団的な変革のプロセスが最も鋭く感じられるのはそこであり、やがて信教に内在する社会建設の力が最も顕著に見えるようになるのはそこなのです。
17. ですから、あなた方と顧問補佐が来たる計画の最初に直面する重要な任務は、次のことを認識するよう各地の友人たちを助けることでしょう。すなわち、既存の成長プログラムを継続して強化するために、有望な近隣地区や村々に共同体づくりの活動を開始するための戦略が広く採用され、系統的に従事されなければならないということです。そのような地域で奉仕する個人は次のことを学びます。これらの活動の目的をどう説明するか、自らの動機の清廉性を行動によってどう証明するか、ためらいがちな人を安心させる環境をどう養成するか、共に働くことによって創り出される豊かな可能性に住民が気づくのをどのように助けるか、住民が自分たちの社会の最大利益のために尽くそうと立ち上がるのをどう励ますか。更に、この仕事の真価を認識すると、その繊細な性格への気づきもまた高まります。小さな地区に出現しつつある行動パターンの灯火は、外部からの注目があまりに大きいと容易にもみ消されてしまいます。よって、そのような地区へ移住する、あるいは頻繁に訪問する友人たちの数は多くは要りません。結局のところ、始まろうとしているプロセスは基本的に地元民に依存するからです。しかしながら、この仕事に携わる人に求められるのは、長期にわたるコミットメントと、訪問する地の生活に完全に溶け込むほどまでにその地の現実に精通すること、そして、偏見や権威者的な態度のあらゆる痕跡を避けて、精神的な旅路の仲間にふさわしい真の友情の絆を形成することへの切望です。このような環境で発達した原動力は、集団の意志と集団による運動に対する強い意識を生み出します。時を経て、クラスター全体と、その集中的な活動の中心地は、異なる状況で教えを応用する努力から生まれる高められた理解を互いに注入し合うでしょう。
18. クラスターの中の友人たちが周囲で形成されつつある共同体づくりの活動を強化し、拡大し続けるとき、特徴的な進歩が果たされたことが鮮明になります。成長を持続させるために必要なシステムのすべての要素は今や確立されています。5年前に皆さんに説明した、連続的な発展における第二里塚への到達は質的な前進だけではなく、量的な前進をも伴います。それは例えば、受容性を発見し育むことを可能とする会話に携わる人の数、訪問される家庭の数、核となる活動と参加者の数、一連のコースを開始する人の数、奉仕をする自信を得て他の人々をサポートする人の数の増加などです。19日毎のフィーストやバハイの聖なる日を記念する集まりへの参加は、地方精神行政会によって促進されています。このような前進は、バハオラの教えに基づいた共同体生活のパターンが地域の住民の中で徐々に広まっていくというより見事な発展を示す、目に見えやすい兆候です。そして、自然に、信者の数が増えます。
19. 集中的な成長のためのプログラムの出現に至る道は、過去5年間でより容易に認識できるようになりました。これは真摯に追求されなければなりません。来るレズワンに開始される計画で、私たちは、成長が始まっているすべてのクラスターに成長を加速するよう呼びかけます。有機的なプロセスならではの、自然な一進一退はあるにせよ、20の周期を通して進歩の明確な軌道が現れなければなりません。このような共同の努力によって、2021年のレズワンまでに、成長のプログラムが集中的に実施されているクラスターの数を5,000に増やすことを目指します。
20. この目標をバハイ世界に提示するにあたり、それが全く手が届きそうもない目標であり、超人的な努力が必要であり、多くの犠牲が払われなければならないことを私たちは認識しています。しかし、バハオラの妙薬を奪われ、日々苦しみを深めている世界の窮状を前にして、良心に照らして、バハオラの献身的な従者にこれ以下のことを求めることはできません。神の御心であれば、彼らの努力は、百年の労苦の最後を飾るものであることを証明し、形成時代の第二世紀に美を添えるべき未だ想像もつかない功績のための舞台を整えるでしょう。
21. これからの数ヶ月間、あなたがた大陸顧問は、この地球規模の目標がそれぞれの全国共同体にもたらす影響を評価するために全国精神行政会と協議を開始し、この協議のプロセスは、草の根レベルに至るまで、速やかに広がらなければならないでしょう。そして、行動を起こさなければなりません。一つあるいは複数の集中的な成長のプログラムが、ある程度の期間、持続されている地域では、より速やかな進歩が達成されると私たちは予想します。なぜなら、このような地域は、周辺地域を強化するための努力がなされるとき、知識や経験の貴重な源泉を提供し、人材の貯蔵庫となるためです。この目標を追求することは、また、大きな前進を遂げたクラスターに隣接する未開拓のクラスターにおける新しい成長のプログラムの出現という結果にもつながることがよくあります。このような援助の流れは、「聖なる計画の書簡」に示されたご指示にその起源が見出されるものです。
大人数を受け入れ、複雑な状況を管理する
22. クラスターにおける成長のためのプログラムがまだ初期段階にあるとき、その推進に携わる個人はほんの一握りで、参加者もほんの数家族から来ているに過ぎないかもしれませんが、成長のためのプログラムが集中的に行われるようになると、これらの数字は、予想される通り、増加します。おそらく、拡大と強化の仕事に活発に携わる個人が数十人、参加者は100人を優に超えるかもしれません。しかし、多くの人々に手を差し伸べること、つまり、100人以上の人々を動員し、その人々の奉仕によって何百、何千もの人々とつながるには、相当な規模の複雑化に適応する能力が求められます。
23. 成長のプロセスが継続的に集中度を増すにつれて、有意義な会話をしようと友人たちが努力することで、彼らは社会の多くの場に至り、より広い範囲の人々が教えに触れ、社会の改善のために自分たちができる貢献について真剣に考える機会を与えます。さらに、より多くの家庭が共同体づくりの活動の場として提供され、その一つ一つが神聖なる導きの光を放散する地点となります。インスティチュート・プロセスは、チューターとして有能に奉仕するより多くの友人たちによって支えられるようになり、チューターは周期を継続して、インスティチュート・コースの全コースを、時には集中度を上げて提供します。こうして、人材開発は、中断を最小限にとどめながら前進し、奉仕する準備ができている人の数が絶えず増え続けます。クラスターの多様な層の住民を引き寄せ続けるとは言え、コースを受ける参加者の中で最も人数が多いのは大抵の場合、ユースです。生活の中で共同体の活動に何らかの形で触れた多くの人々は、神の御言葉を学ぶことによってもたらされる変革の効果を体験します。そして、奉仕の道を歩み始める人の数が増えるにつれ、友人たちの共同体づくりの活動はあらゆる面において著しい進歩を遂げます。ジュニアユース・グループのアニメーターと子どもクラスの教師の数は増加し、この二つの重要なプログラムの拡大を後押しします。子どもたちは一つの学年から次の学年へとクラスを進むことができ、ジュニアユース・グループも年々前進し、自分たちの学びを社会への奉仕に根差したものとします。クラスターの諸機関は、地方精神行政会の支援を受けて、参加者が教育プロセスのある段階から次の段階へ自然に移行するよう励まし、促進します。こうして、大人数を迎え入れることのできる、すべての構成要素を備えた教育システムがクラスターにしっかりと根を下ろしたことになります。
24. クラスターのどこに住んでいるにせよ、このような進歩には友人たちの一致した努力が必要です。しかし、現計画における経験は次のことを示しています。大勢の人々を迎え入れることのできる行動パターンは、主に、精神的な勢力が収束して人々の内で急速な変化をもたらしている場所である、近隣や村のより多くを、集中した活動を維持できる場所にするまで働くことから生まれるということです。各近隣や村で、中核となる人々が、住民の能力を高めるプロセスの責任を担っています。より幅広い層の人々が会話に参加し、友人や隣人のグループ、若者の集団、家族全体など、すべてのグループに対して活動が一度に開放されることで、彼らは自らを取り巻く社会がどのように作り直されうるかを実感することができるようになるのです。集団での礼拝、時には夜明けの祈りのために集まる習慣は、すべての人の中にバハオラの啓示とのより深い繋がりを育んでいます。広く行われている習慣、風習、表現方法はすべて、多くの魂に影響を及ぼす、内面におけるより深遠な変革の表出として、変化を受けやすい状態になります。そして、彼らを結びつける絆はより愛情に満ちたものとなります。相互支援、互恵、互いへの奉仕といった資質が、活動に携わる人々の間に、出現しつつある活気に満ちた文化の特徴として目立ち始めます。このような場所にいる友人たちは、クラスターの諸機関が成長のプロセスをクラスターの別の場所に広める手助けをします。というのも、彼らは自分たちが既に垣間見た変革のビジョンを他の人々に紹介することに熱心だからです。
25. 信者たちは、その継続的な努力の過程で、特定の民族、部族、その他のグループを代表する他とは異なる集団の中に受容性を見出し、その集団は狭い地域に集中している場合もあれば、クラスター全体やそれをはるかに超えた場所に存在している場合もあります。このような集団が信教を受け入れ、その啓発的な影響によって活気づけられるときの力学については、学ぶべきことが多くあります。 神の大業を推進するために、この仕事が重要であることを私たちは強調します。すべての人々がバハオラの世界秩序の中で分け前を持ち、すべての人が人類の一体性の旗印のもとに集められなければなりません。その初期段階において、ある集団に手を差し伸べ、能力を育むプロセスへの参加を促すための系統的な努力は、その集団のメンバー自身がその努力の最前線にある場合に著しく加速します。これらの人々は、彼らが属する社会の勢力と構造についての特別な洞察を有し、それは様々な形で現在進行中の継続的な努力を強化することを可能にするでしょう。
26. クラスターの成長がさらに進む中、トレーニング・インスティチュートの組織体制にもより多くが要求されるようになっています。コーディネーターの追加も必要であり、その中にはクラスターの特定の地区に努力を集中する人もいるかもしれません。しかし、このために運営上の新たな層を追加する必要はありません。コーディネーターたちがチームを組んで協力しあい、時には他の有能な人の援助を活用するなど、協働することによって達成できることは多くあります。これらのチーム内で継続的に行われる交流や経験の共有は理解を豊かにし、奉仕の有効性を向上させます。また、同じ近所に住む子どもクラスの教師や、アニメーターやチューターとして奉仕する友人たちが、自分が奉仕している場所で小さなグループで集まり、互いに助け合うことができれば、コーディネーターの努力はより充実したものになることがわかってきました。
27. 地区布教委員会の機能もまた新たな水準に到達しています。地区布教委員会は、クラスター全体の状況をより綿密に読み取ることに従事し、一方では共同体の能力と持続的な成長によってもたらされた結果を正確に評価し、他方では様々な社会の現実が長期的に見て共同体づくりにどのような意味合いをもつかを理解します。各周期で立てる計画において、委員会は拡大と強化の仕事を最も多く担う人々に大きく依存しますが、 活動のパターンに何らかの形で関係している人の数が大きく増えた今、様々な問いがより緊急なものとして浮上しています。どのようにしてティーチング目標の達成に信者たち全体を動員するのか?共同体に彼らを結びつけるディープニングやディスカッションから利益を受けるであろう友人たちの家庭への系統的な訪問をどのように組織するのか?子どもやジュニアユースの親たちとの間でどのようにして精神的な絆を強化するのか?信教に好意を示すものの、いまだにその活動に参加していない人々の関心をどのように高めていくのか?これらに加え、何百もの人が、そしてやがては何千もの人が家族や近所の人々と共に礼拝に参加するように、祈りの会を広く開催することを推進することもさらなる課題です。無論、究極的には、地区布教委員会は、より多くの人々がバハオラのメッセージを知ることができるよう共同体の継続的な努力の範囲を拡大することを常に目指します。統計データを集め分析することや、その他の多様な仕事を含む自らの任務の複雑さに対応するために、委員会はそのメンバー以外の個人からの援助を得ます。このような複雑さから、地方精神行政会とのより密接な協力も必要となります。
28. その一環として、また、活動への参加者の増加に対応して、地方行政会は、拡大する共同体を代表して担う多くの責任を果たすために、その能力を高めています。また、すべての人が共同体の共通の事業に貢献しようと思えるような環境づくりを心がけています。クラスターの諸機関が計画を成功させることを切望し、その地域の状況に精通しているため、地域レベルでの相互作用のプロセスの発展を促進することができます。このような観点から、キャンペーンや振り返りの会への友人たちの全面的な参加を促し、地元で計画される、自発的な取り組みやイベントに物的資源やその他の援助を提供します。行政会は新しい信者たちを育む上で繊細さが必要であることに注意を払い、共同体生活の様々な側面が彼らにいつ、どのようにして紹介されるべきかについて検討します。新しい信者にインスティチュート・コースへの参加を促すことで 、最初から、彼らが新しい世界を築くという崇高な、継続的な努力における主人公として自らを見なすよう確実にします。地方精神行政会は19日毎のフィーストや聖なる日の記念、バハイの選挙のための集まりが共同体の高い理想を強化し、コミットメントが共有される感覚を強め、共同体の精神的な性格を強化する機会となるよう配慮します。その共同体の人数が増えるにつれ、行政会は、これらの重要な機会にこれまで以上に多くの参加を促すために、このような集まりをどの時点で分散させるのが有益かを検討します。
29. 先進クラスターの顕著な特徴の一つは、共同体全体に浸透し、機構の能力の向上に拍車をかけるものとして作用する学びの様式です。方法、アプローチ、完全なプロセスに関する洞察を提供する報告が、活動が行われる小規模の地区に絶えず流入し、また、そこから流出し続けます。このような学びがたくさん提供されるクラスター全体での振り返りの会は、しばしば、小規模な地区を対象とした会によって補完され、参加者の間により強い責任感が生まれます。このような集団で共有される当事者意識は周期を経る毎にはっきりしてきます。それは、世代を超えて自らの精神的発展の責任を担う人々が一体となることで放出される力です。そうすることによって、地域および全国のバハイの機構や自らの地区にある諸機関から受ける援助は、絶え間ない愛の流れとして経験されます。
30. 資源の増加、および、人々の生活に対してバハオラの啓示がどのような意味合いを持つかについての意識の高まりの自然な結果として社会的行動が沸き起こります。 このような自発的な取り組みは、しばしば、 ジュニアユースの精神性を高めるプログラムの中から有機的に発生し、共同体の集まりで行われる地域の状況に関する協議によって促されます。このような継続的な努力の形式は多様であり、例えば、子どもの勉強の個別指導、物質的環境の改善プロジェクト、健康増進や疾病予防のための活動を含みます。いくつかの自発的な取り組みは持続的なものになり、次第に成長します。様々な場所で、草の根レベルでのコミュニティ・スクールが設立されていますが、それはインスティチュートの資料の学習から自然と湧き出る、子どもへの適切な教育に対する関心の高まりやその重要性の認識から生じたものです。友人たちの努力は、周辺地域で既に機能しているバハイに発想を得た組織の活動によって大きく強化されることがあります。社会的行動の事例が当初、いかにつつましやかなものであっても、それは、人々が自分たちの中に、今後何世紀にも渡って無限の可能性と意義をもつ決定的な能力を育成していることを示すものです。つまりそれは、バハオラの啓示を社会生活の諸々の側面にどう適用するかを学ぶ能力です。このような自発的な取り組みのすべてはより広い共同体で繰り広げられている論議への個人および集団のレベルでの参加を豊かにするものでもあります。予想通り、友人たちは社会における生活にさらに引き込まれつつあります。この進展は全くの初めから、クラスターの行動パターンに内在していたものですが、今やそれは格段に明白です。
31. 人々による運動がここまで前進したということは、それをもたらしたプロセスが、能力を高めるための継続的な努力のあらゆる側面に高いレベルでの参加を実現し、維持し、それに必然的に伴う複雑さを管理するのに十分な強さを有していることを示しています。これは、クラスターで成長のプロセスが始まって以来三つ目となる、友人たちが通過すべき次の一里塚です。これは、男性、女性、ユース、大人の人々が自らの精神的、社会的変革に取り組むことができるダイナミックな共同体生活のパターンを広げていくシステムが、ある中心地でも、他の中心地でも出現していることを意味します。これは、さまざまな社会経済的状況にある約200のクラスターで既に実現されており、来る計画が終了する頃には、さらにもう数百のクラスターで観察できるようになると予想されます。それは、他の地域の何千ものクラスターで熱心に努力する友人たちが目指すべき未来です。
32. 成長が既にこの段階に達したいくつかのクラスターではさらに息を呑むような発展が起こっています。これらのクラスターの中には、全人口の相当な割合が共同体づくりの活動に携わっている地区が複数あります。例えば、そこには、インスティチュートのプログラムに、子どもとジュニアユース全員が参加するようにまでなった小さな村がいくつかあります。活動が広範囲に及ぶと、信教の社会的影響力がより鮮明になります。バハイ共同体は人々の生活における独特な、道徳的な声としてより高い立場を与えられ、例えば若い世代の発展に関する周囲の論議に、知見に裏付けられた視点を提供することができます。より広い社会の権威ある人々が、バハオラの教えに発想を得た社会的行動の自発的な取り組みから生まれた洞察や経験を活用し始めます。公共の福利に関する、これらの教えに影響を受けた会話は人口のますます広い範囲に浸透し、その地域で一般に行われる論議に与えている影響が認められるまでになっていきます。バハイ共同体の枠を超えて、人々は地方精神行政会を、自分たちも光明を求めて向かうことができる英知の輝く源と見なすようになっているのです。
33. このような発展は、多くのクラスターにとって、たとえ活動のパターンが大人数の人々を迎え入れているクラスターにとってさえも未だ遠い未来の話であることを私たちは認識しています。しかし、場所によってはこれが現在の仕事なのです。このようなクラスターでは、友人たちは成長のプロセスを維持することに専念する一方で、バハイによる継続的な努力の他の側面にますます注意を払うようになっています。非常に活発な地域住民が、自分が不可欠な部分を構成している社会をどのように変容させることができるかを理解しようとしているのです。当分の間、これこそが学びの新たな最前線となり、ここで生み出される洞察は究極的にはバハイ世界全体に利益をもたらすでしょう。
ユースの可能性を解き放つ
34. 奉仕の道におけるユースの目覚ましい功績は、現計画の最も良質な果実のひとつです。ユースが持つ途方もない潜在能力は疑う余地のないほど明白に証明されました。2013年に開催されたユース大会に喚起され、クラスターにおける活動の場に注ぎ込まれたエネルギーの高まりは、いかに最大名の共同体が、若者が抱く最高の熱望を形にすることができるかを明確に示しています。ユース大会に8万人以上のユースが参加した後、さらに10万人以上の仲間がその後に開催された数々の場に参加していることを私たちはとてもうれしく思っています。増え続けるこれらの先頭部隊が共同体の活動に最大限、取り組むよう励ます方策は新しい計画の主要な構成要素でなければなりません。
35. また、ユースによる熱心な参加は、友人たちが手を差し伸べようと努めてきたあらゆる受容性のある人々の中でも最も敏速に応答する集団はユースであるという事実を浮き彫りにしました。この点から学んだことは、自分たちの社会をより良くするためにできる貢献について、若者が意識することを助ける方法です。意識が高まるにつれ、彼らはバハイ共同体の掲げる目標にますます共感するようになり、現在進行中の活動に力を貸したいという熱意を表現します。このような会話を通して、人生のこの時期に自らが持てる身体的、精神的な力を、他の人々、特に自分たちより若い世代の必要を満たすためにどのように使うことができるのかということに興味を持つようになります。ユースのための特別な集まりは、現在ではクラスター、さらには近隣や村のレベルでも頻繁に開催されるようになり、それは、この継続的な会話に強度を持たせるための理想的な機会であることを証明しており、また、多くのクラスターで活動の周期に共通する特徴となっています。
36. 社会の改善への貢献についてのディスカッションは、もし精神的なテーマについての探求を欠けば、心の底から湧き上がる動機を引き出すことはできないということが経験から分かってきました。「行い」(doing)、つまり仲間の魂に仕え、アカンパニーするために立ち上がることの重要性は、神の教えの理解を深め、その生涯において精神的資質を映し出す「在り方」(being)という観念と調和しなければなりません。信教の人類に対するビジョンとその使命の崇高な性質に触れたユースは、奉仕したいという願望を自然に抱くようになり、この願望にトレーニング・インスティチュートは迅速に応えます。ユースの能力を解き放ち、引き出すことは、各国のトレーニング・インスティチュートの聖なる任務です。しかし、その発達に従って彼らの能力を育成することは、大業の全ての機構の責任です。ユースがイニシアティブをとる用意があることを示すことで、彼らが選んだ活動の行程が何であろうと、初期段階を超えて、クラスターの機構や諸機関から持続的な支援を受ける必要があるという事実が見えづらくなることがあります。
37. これに関しては、ユースも、更に学びをすすめ、奉仕について話し合うためにグループで集まったり、互いの努力を支援し決意を固めたり、友情の輪をより大きく広げていったりするために、互いを支援しています。このような仲間のネットワークによる励ましは、若者にとって、消費主義と強迫的な娯楽という落とし穴へと誘う魅惑的な声にとって代わる大いに必要なものであり、他者を悪者にする傾向に対抗するものでもあります。人を疲弊させるような物質主義と分裂しつつある社会という背景において、ジュニアユース・プログラムは今、その特有の価値を示しています。このプログラムは、ユースに、自分たちよりも若い人たちを特に標的とする腐食的な勢力に彼らが抵抗できるよう支援する、理想的な活動の舞台を提供します。
38. ユースが奉仕の道を歩むにつれて、彼らの継続的な努力はクラスターの活動に円滑に統合され、その結果、共同体全体が結束して勢いを増します。若い人たちの家族にアプローチすることは共同体づくりを強化するための自然な方法です。機構と諸機関は、ユースの可能性を系統的に引き出す方法を模索する能力を高めるよう求められています。例えば、ユースの集まりの終了後すぐにスタディサークルの集中コースを受ける機会をユースのために設けるなど、この年齢層の置かれている状況、行動の傾向や特性を更に理解することで、適切な計画を立てることができるようになります。活力に満ちたユース達のエネルギーが注入されることで、クラスター内の活動のテンポが早められるでしょう。
39. 奉仕の道において大きな貢献ができる彼らの活躍に期待するのはもっともなことですが、成熟への発展が何を意味するのかについて、友人たちは狭い視野をもたないよう気をつけなければなりません。移動の自由があり時間が存分に使えることにより、多くのユースは共同体のニーズに直接関連する方法で奉仕することができますが、二十代に進むにつれて、彼らの視野は広がっていきます。同じくらいに多くが求められ、かつ非常に価値のある、一貫性のある生き方の他の側面に、彼らの注意は強く引きつけられるようになります。多くのユースは、目の前の可能性に応じて、大学への進学や職業教育などさらなる教育をまず優先することになり、社会との新しい交流の場が開かれます。また、若い男女は、「わが僕らの間に我のことを述べる者があらわれ出るように」「結婚」し、「技術を身に付け職業に従事する」ようにという最高のペンによる勧告を強く意識し始めます。職業に就いたユースは当然その分野に貢献し、啓示の継続的な学習から得た洞察に照らして、その分野を更に発展させようとし、その仕事において、誠実さと優秀さの模範となるよう努力します。バハオラは「すべての世界の主なる神の愛のために、職業によって生計を得、自らとその同族のためにそれを使う」ことを称えておられます。この世代のユースは、繁栄する共同体の基盤を確固としたものとする家庭を築くでしょう。更に強まるバハオラへの愛と、彼が命じられた高い規範への個人個人によるコミットメントを通して、彼らの子どもたちは、「母乳と…混じり合わされ」た神の愛を吸収し、彼の聖なる法の避難所を常に求めるようになるでしょう。すると、明らかに、若い人たちに対するバハイ共同体の責任は、彼らが最初に奉仕し始めたときに終わるわけではありません。大人になってからの人生の方向性について下す重要な決断は、神の大業への奉仕が、若い頃の短く思い出に残る期間にすぎないのか、それとも、地上での生存における確固たる中心となり、全ての行動がその焦点を通ることになるレンズとなるかを決定します。家族、共同体、諸機関、機構での審議において、ユースの精神的および物質的な前途が十分に考慮されることを、あなた方大陸顧問とその補佐たちが確実にするよう私たちは期待しています。
機構の能力を高める
40. 何千もの新しい成長のプログラムを確立し、既存のプログラムを強化するという現行の計画の要求に応えるために、全国や地域レベルの機構にも大陸顧問団にも、力と調整の並々ならぬ技が必要でした。このような要求に応えることができたのは、計画の三つの主人公である、個人、共同体、機構の間に共有された協力の精神があったからです。この精神は、パイオニアを特定の国に送り定住を促すという特別な自発的取り組みや、世界の114ヶ所で開かれたユース大会を組織するといった、あらゆる重要な事業にとっての必要条件でした。喜びをもって奉仕し、柔軟性があり、個人的な好みから離脱するという態度が広く浸透してきたことは、定例の行政的な活動にさえも神聖な特質を付与しています。来る計画の新たな要求によって、バハイの機構の能力は間違いなく、さらに試されることになりますが、何があっても、共に働く全ての人々の間にこの統一された精神が維持されることでしょう。
41. 先に述べた通り、連続して行われるクラスターにおける運動は、クラスターの諸機関を指導・支援し、必要に応じて資源を提供する機構のコミットメントがあるかどうかに左右されます。この仕事は、バハイ地域協議会と、地域のトレーニング・インスティチュートの重要な責任です。この5年間に、世界中の協議会の数は170から203に増加しましたが、これはこのレベルで行われる仕事の必要性の高まりと能力の向上を反映しています。協議会がまだ設立されていないいくつかの国では、その出現を見越して、経験を積むための具体的な措置が取られました。広大な領土をもつ地域では、協議会が、隣接するクラスターのグループの発展を育むための手筈を整えました。一方、地域協議会の設立を必要としない小規模な国では、全国行政会がクラスターの発展を支援する方法を考えるようになってきており、場合によっては、このタスクを担当するワーキング・グループを結成しています。あなた方は、やがて、他国で協議会が行っているのとほとんど同じようにこの責任を担う正式な構造を定義することができるだろうという目的をもって、この場所での学びを鼓舞するよう奨励されています。そして、協議会の場合と同様、国レベルでこのような構造が生じた場合、顧問の機構との相互作用から恩恵を受けることが想定されます。
42. 任務を効果的に遂行するため、地域および国レベルの機構は草の根での発展と、自分たちがその進展に注意を払っているクラスターで学ばれたことを十分に把握しておく必要があるでしょう。クラスターにおける運動や管轄区域のインスティチュートの活動に関する情報に折よくアクセスすることは、機構が諸機関を支援し、パイオニアの配置、基金の配分、バハイ文献の作成と推進、機構の会議の計画などに関する多くの決定を下すために必要です。それは彼らが、それぞれの共同体の現実を正確に読み、その時その時の急務に対処するにあたって、友人たちのエネルギーを組織し導く際に、明確に理解したニーズに基づいて行動することを可能にします。全国行政会は、さまざまな機会に大陸顧問団と協議しながら、特にクラスターや地域レベルの組織構成に関連して学ばれた教訓のある側面を正式に採用し普及させることが望ましいと考えるかもしれません。共同体の蓄積された経験について十分な情報を得る必要性は、複数の地域協議会を有する大きな国の全国行政会にとって特に重要な意味を持ちます。行政会がインスティチュートの管理業務を協議会に委譲している場合は特にそうです。この場合、全地域で何が学ばれているのかを明確に分析したものを行政会に提供するために、国レベルでの新たな取り決めが必要になることもあります。
43. もちろん、最終的に、全国精神行政会は、バハイ共同体の発展のあらゆる側面を促進する責任を負っています。全国精神行政会は自ら、さまざまな活動の行程を遂行しますが、多くの場合は、地域協議会や専門的な諸機関がそれぞれに託された継続的な努力の分野を進めるための措置を講じることができるようにすることによって、この責任を果たしています。友人たちの能力が高まり、共同体の規模が拡大するにつれ、全国行政会の多岐に渡る業務も比例して複雑になっていきます。したがって、来る計画で機構の前にある課題の規模の大きさを考慮し、全国行政会、そして協議会も同様に、その管理運営、さらには自らの機能の要素を、成長のプロセスをよりよく支援する方法で調整する、または強化することができるかどうかを、大陸顧問団と協力して定期的に検討することは有益でしょう。
44. より高いレベルで機能できるようになることは、トレーニング・インスティチュートにとっても同様に、重大な関心事です。何千というクラスターにおいて成長のプログラムを強化し、その強化を持続させるという共同体の努力は、これらの諸機関に多くを求めることになります。もちろん、トレーニング・インスティチュートの焦点は、彼らが担当し推進する教育課程の三つの段階を展開し、それぞれに関連する学びの過程を強化することであり、その結果、インスティチュートの活動の質と、増え続ける数の人たちにその活動を拡大する能力が常に向上していきます。日々の業務に携わることが重要である一方で、達成しなければならないことの規模が大きいため、インスティチュートが戦略を検討することに勤しむことも必要です。トレーニング・インスティチュートの理事は、クラスター内の活動をどのように力づけるのか、どのように十分な資源を提供できるのか、異なる環境ではどのようなアプローチが効果的なのか、どのように経験を共有できるのかについて、全国および地域コーディネーター、そして顧問補佐と継続的に協議する必要があります。私たちは、子どもクラス、ジュニアユース・グループ、スタディサークルの推進に関して、草の根から生まれた洞察を収集し、適用するという、この協働グループによる系統的かつ集中的な努力を念頭に置いています。また、インスティチュートの仕事の他の側面、例えば、クラスターレベルでの調整の仕組み、コーディネーターの能力向上、統計や財務の管理などに取り組むことも不可欠です。トレーニング・インスティチュートと連携する際には、あなた方大陸顧問団は世界の同じ地域の他のインスティチュートの経験を引き出せるよう手配したいと望むことでしょう。また、ジュニアユース・プログラムに関する学びを広める拠点は、近隣の国や地域のインスティチュートにとって、豊かな洞察の源となることでしょう。
45. あらゆる土地で、機構と諸機関が拡大と強化のプロセスを加速しようとするにあたり、財源の問題により注意が払われる必要があるのは確実でしょう。実際、今後数年間、機構の能力を高める上で重要な観点の一つは、地方基金と全国基金の継続的な発展です。これを実現するためには、自らの手段で信教の仕事を支え、さらに教えに照らして自らの収支を管理する責任をあらためて考えるよう、大多数の友人たちに求めなければなりません。
46. バハオラによって描かれた未来の文明は、世界の莫大な資源が、人類の堕落と破壊ではなく、向上と再生に向けられる豊かな文明です。そうであるなら、基金へ献金するという行為には深遠な意義が吹き込まれます。それは、文明の到来を早める実践的な方法であり、バハオラご自身が「永遠の真理成る御方に誉れあれ。彼は、地上における全ての事業の成就を物質的な手段に依存するものとなし給うた」と説明なさっているように、必要な方法なのです。バハイは、物質的な諸事において著しく混乱した社会の只中で生活しています。バハイがそれぞれ自分のクラスターで進めている共同体づくりは、世界を支配する、富や所有物に対する態度とは全く異なった一連の態度を養うものです。特定の場所では現物による寄与も含め、信教の基金に定期的に献金する習慣は、共同体の福利と大業の進展に対する個人の関心から生まれ、その関心をさらに強めます。献金の義務は、ティーチングの義務と同様、信仰を強める、バハイとしてのアイデンティティの基本的な側面のひとつです。個人の信者による犠牲的かつ寛大な献金、共同体によって促進される基金の必要性についての集団的な意識、信教の機構によって為される財源の慎重な管理は、これら三つの行為者をより密接に結びつける愛の表現と見なすことができます。そして、究極的には、自発的に与えることは、精神的な原則に従って自分の財政的な諸事を管理することが一貫性をもって人生を生きる上での不可欠な側面であるという認識を育みます。それは良心の問題であり、世の改善に対するコミットメントを実践に移す方法の一つなのです。
47. 私たちは、あなた方、その補佐たち、およびそのアシスタントが、友人たちが多くの領域、もちろん、特に成長の力学に関しての理解を深めるのを助けるというユニークな責任を負っていることを認識し、これらの声明をあなた方に送ります。先に述べたように、バハイ共同体は、顧問の機構において、地球の最も遠い地域で学ばれた教訓が、バハオラの信者たち全員が参加することのできる世界的な学びのプロセスに寄与するシステムを有しているのです。信者の間で5年計画に対する理解が次第に深まるにつれ、ガイダンスを適用することから生じる洞察が認識され、明確にされ、吸収され、共有されます。この点で、近年、その勤勉さでもって、今や十分に確立されるに至った学びの様式を愛情深く育み、精力的に広めてきた国際ティーチングセンターの仕事から、最大名の共同体は多大な恩恵を受けていると言えるでしょう。
48. 次の計画に不可欠な要素は、これまでの計画と同様、明白です。それにもかかわらず、この計画の様々な側面を本当に理解するためには、クラスターの成長を通してなされる洗練された活動一式を理解することが求められます。私たちは、友人たち一般や、特に機構とその諸機関が、適切な考慮事項に注意を払い、その審議に光明を投ずるよう顧問の機構を頼れるほど、あなた方が関連するガイダンスによく精通していることに確信と信頼を置いています。しかし、活動のパターンが強化されつつある、少なくとも5,000のクラスターにいる友人たちを援助する必要性は、明らかに、かなりの難題であり、あなた方自身、とりわけ、顧問補佐が機能する様式に対する示唆を伴う難題です。彼らの担当地域で成長のプロセスの最前線にあるクラスターは必然的に彼らの時間の多くの割合を求めることになり、また、地域レベルでの行政的な取り決めにおいても、彼らの支援がより頻繁に必要となるでしょう。彼らは共同体で起こっている多くの事柄に関心を持ちます。教育課程の各段階の発展と、活動の周期を強めることの両方に気を配り、クラスターで進められている活動の行程の中に一貫性を推進し、ティーチングへの情熱を燃え立たせます。学びを育み、友人たちが奉仕の舞台に進むのを助けるという責任を果たすにあたって、互いの仕事の側面が密接に関連するトレーニング・インスティチュートに大いに頼るでしょう。しかし、他の任務もまた同じように、多くを要求します。そのため、これほど多岐にわたる責任を遂行するために、そのアシスタントの援助をどのようにより広く、より創造的に活用することができるかを検討する必要があります。もちろん、アシスタントには、簡単なものや複雑なもの、一般的なものや特殊なもの、いかなる任務をも割り当てることができます。幅広く役に立つというこの性質が特有の強みを成します。地元の共同体の発展に尽力するアシスタントがいる一方で、クラスター全体に関する仕事を与えられるアシスタントもいるかもしれません。アシスタントに適切に方向を示し、その能力が広がるにつれて指導し、その任務を徐々に増やすことで、顧問補佐は存在する可能性をよりよく活用することができるようになるでしょう。その結果、多くのことが学ばれるはずであり、あなた方、大陸顧問がその補佐の経験から洞察を得るよう、私たちは奨励します。
特別な可能性を持つ期間
49. 計画をあらゆる面において系統的に遂行することは、奉仕へのコミットメントだけでなく、礼拝へ引き付けることにおいても際立った、集団による継続的な努力のパターンを生みだします。また、これからの5年間に必要とされる活動の強化は、世界中のクラスターで肩を並べて努力する人々に共有される、礼拝の生活をさらに豊かなものとするでしょう。事実、礼拝の生活が豊かなものとなるプロセスは既にかなり前進しています。例えば、礼拝の集まりがいかに共同体生活の核として融けこんでいるか見てください。祈りの会は、いかなる魂も参加し、天上の芳香を吸い込み、祈りの甘美さを体験し、創造的な言葉を瞑想し、精神の翼で運ばれ、唯一の最愛なる御方と交わることができる機会です。特に、そのようなときに自然に起こる精神的に高められた会話において、連帯感や共通の目的の感覚が生み出され、それを通して「人々の心の都」が開かれるかもしれません。いかなる背景の大人も子どもも歓迎される礼拝の集まりを開くことで、マシュレゴウル・アズカルの精神がどんな場所にでも呼び起こされます。共同体における祈りの性格の高まりは19日毎のフィーストにも影響を与え、また友人たちが集まる他の機会においてもそれを感じることができるでしょう。
50. この点において、聖なる日の祝祭は特別な位置を占めます。そこでは聖なる書簡が朗読され、祈りが唱えられ、物語が語られ、歌が歌われ、感想が述べられる、これらは全て、その生涯や使命が記憶されている聖なる人物への愛の表現であり、それは心を動かし、魂を畏敬と驚嘆で満たします。始まろうとしている5年計画の期間中に、このような重要な機会が二度あります。一つはバハオラの生誕200周年記念が2017年に、もう一つはバブの生誕200周年記念が2019年に祝われます。これらの輝かしい祝祭は、世界中のバハイにとって、可能な限り最大の数の信者、その家族、友人や共に活動をする仲間だけではなく、より広い社会から人々を招き、創造における無比なる存在、神の顕示者がこの世に生を受けた瞬間を記念する機会になるでしょう。これらの200周年のお祝いをすることで、今や、あらゆる地の、神の友人たちを結びつけるカレンダーに従って聖日を祝うことが、いかにバハイとしてのアイデンティティを強めることができるかをますます理解することができるはずです。
51. 今後数年にわたって、実際、共同体は、多くの記念行事を開催する機会があり、それは2021年11月のアブドル・バハの昇天100周年記念で締めくくられますが、その日を以って、バハイの形成時代の最初の一世紀が幕を閉じます。その翌年、バハイ世界は、師のペンにより「聖なる計画の書簡」の最初の書簡が流れ出てから100年を迎えます。人類の最も暗い時代の一つに顕されたこれらの14の書簡の中で、アブドル・バハはティーチングの仕事の活動範囲を地球全体と定義し、ティーチングのための憲章を展開しました。守護者の勧めにより乗り出した、連続する計画の最初のものが北米のバハイに1937年に課されるまで、計画は保留されましたが、以来、バハオラの信者の集団としての能力が成長し、より大きな課題に挑戦できるようになるにつれて、聖なる計画は数十年にわたって、展開し続けています。この計画を顕した著者のビジョンの、何とすばらしいことでしょう。ご自身の父の啓示の光によって世界の隅々まで照らされる日の展望を友人たちの前に示し、その偉業を成し遂げるための戦略のみならず、指導原理と不変の精神的必要条件を提示したのです。聖なる教えを系統的に広めるために友人たちによってなされたあらゆる努力の起源は、聖なる計画において呼び起こされた力に遡ります。
52. 友人たちが召集を受ける、次の地球規模の継続的な努力には、既にその価値が証明された戦略、系統的な行動、情報に基づいた分析、鋭い洞察力を必要とします。しかし、何よりも、これは精神的な事業であり、その本質を決して曖昧にしてはなりません。世界の絶望的な状況によって、私たちは、急いで行動するよう促されています。バハオラの信者が過去20年間に学んできたことの全てが、次の5年間における成果として結実しなければなりません。求められていることの大きさは、バハオラがその大業を広めることに必然的に伴うチャレンジを、印象的な言葉で描写しておられる書簡のひとつを思い起こさせます。
開墾されることも耕されることもなく置かれた土地がいかに多かったであろう。また、開墾され、耕されたけれども水を与えられることなく置かれた土地がいかに多かったであろう。そしてまた、収穫の時期が来ても、一人の収穫者も刈り入れにやって来なかった土地がいかに多かったであろう。しかし、我は、神のご恩恵の不可思議とご慈愛の啓示を通して、天の美徳の具現者であり、神の大業を教え、地上に住むすべての人を訓練することに勤む魂が現れるようにという望みを心に抱いている。
53. バハオラに愛されし者らが世界中で展開する系統的な努力は、「祝福された完全」がこのように表現なさった希望の成就を目標とします。バハオラご自身が、あらゆる転換点にて、友人たちを強化し給いますように。
[署名:万国正義院]