万国正義院
バハイ世界本部
1986年レズワン
全世界のバハイヘ
心から愛する友へ
「神の春の季節」は急速に進んでおり、地上の原子も一つ一つがバハオラの啓示の地を揺るがすような影響力に答えているのである。この新しい生命の兆候は、神の信教の発展においてあまりにも明確に現れている。たとえ一瞬でも、信教が発展し次々と展開していく姿を熟視するならば、信教の進む方向を定めている「全能なる御手」が持つ逆らうことのできない力を、驚嘆と感謝の気持で認めざるを得ないのである。
この進展は七年計画の間に明らかにその速度を速めており、このことについてはバハイ世界全体を通して多くの重要な事業が達成されたことや、信教そのものの中心部において欠くことのできない発展が見られたことがそれを証明している。アブドラ・パシャの家の建物の南の部分が修復され、巡礼の場として入れるようになったこと、万国正義院の本部建物が完成し業務を開始したこと、弧状に建てられる予定の残りの建造物の詳細な計画が承認されたこと、国際布教センターと大陸顧問団のメンパーの構成および責務の拡大、社会経済開発計画事務局および広報事務局の設立、太平洋地区の礼拝堂の献堂式の開催、インドの礼拝堂の建設の感動的な進展、世界中における布教活動の展開一その結果として23の新しい全国精神行政会が成立し、約8,000の地方精神行政会が新たに作られ、バハイが居住する地域数も16,000以上増え、バハイ共同体の中に新たに加わった人種の数も300を数え、新しく出版された書物の数は2,196冊、その内898編は聖なる書物であり、バハイの文献が新しく114の言語で出版され、737の新しい社会経済開発計画が始められており、新たに開局したバハイ・ラジオ局は3個所、これに加えて後三つの局が間もなく開局の予定一これらは七年計画の明らかな成果として際立っているものであり、バハイの形成時代の第三段階が幕を閉じるにあたり、それを封印するものとして記憶されるであろう。
七年計画の開始と時を同じくして、イランのバハイ共同体においては信教の発祥の地から神の教えを抹殺してしまおうとするたくらみ、残酷な迫害が再び起こってきた。しかし、英雄的ともいえるペルシャのバハイの友の揺るぎない姿勢は、国際的な関心の目を強く信教に集めた主な原因となり、その結果として国連の総会においてこの問題が議題として取り上げられ、それと同時にあらゆる報道機関を通して世界中に伝えられ、それまでの世に知られずにいた状態から脱け出すことを可能にしてくれたのである。それは信教の初期の時代を特徴づけるものであり、またその時代を擁護してきたものでもある。この感動的な成り行きを見て、万国正義院はついに平和に関する書簡を世界中の国民へあてて送り、各国の元首およびすべての施政者にも届ける計画を始めたのである。
これまで述べてきた際立ったでき事と平衡して、信教の機構が成熟の域に達するという点においても全体的に大きな進展が見られた。バハイ行政秩序の二本の柱の間にこれまで以上に密接な協力関係が保持されるように進めていくことにより、機構に携わる側の能力と責任を巾広いものにしていき、常により大きな決定権を付託していくということも推進されてきている。この方法も今回初めての試みとして全国精神行政会と大陸顧問が国際布教計画の中のそれぞれの国の目標を共に考えていくことになったことから大きく一歩前進したことになる。両者が共にそれを遂行し、六年計画の世界全体の目標を各国で当てはめて両者が共に実行していかねばならない.この重要な意味を持つ展開は形成時代の第4段階としてふさわしい開始の仕方であり、全国共同体が影響力を持つまでに強く成長し、それぞれの国においてまさに真の神の信教であるという証明でもある愛と社会の和合の精神を広く行き渡らせることができるようになれるというのが、この第4段階の特徴であり、それへの過程の第一歩をしるすことにもなるのである。
バハイ世界本部で達成すべき目標の中には、キタビ・アクダスおよびこれに関連した書物の英訳で、十分に注釈をつけた本の出版、「フククラの法」をバハイ世界に教えていくこと、弧を描いて建てられる予定の建造物の建設計画の推進、信教の国際的な関係の基盤を巾広いものにしていくこと、などが含まれている。
今回の計画の世界全体としての主たる目標についてはすでに全国精神行政会と大陸顧間に合同で相談し遂行していくように送ってある。
親愛なる友よ、世界は夜明け前の暗黒の時を通り過ぎ、神の信教はこれまで以上に明るく輝き、神の御旗がはためき、そして楽園の小夜鳥が歌をさえずるあの栄光に満ちた黎明(れいめい)へと近づいているのである。
愛をこめたバハイの挨拶とともに
(署名)万国正義院