アブドル・バハの質疑応答集

Some Answered Questions

by Abdu’l-Baha

 

 

初版に掲載された著者の前がき

 

「私の疲れた時間をさしあげました。」これが、私の質問に答えてテーブルから立ち上がる時のアブドル・バハの言葉でした。

毎日、こんな風に続きました。何時間にもわたる仕事の合い間に、彼の疲労は新しい活動に安らぎを見出しているようでした。時には十分話すことができましたが、たいていはもっと時間が必要な問題であっても、ほんの少しすると彼は呼ばれていってしまいました。そして何日も何週間さえも、私を教える機会がないという具合でした。それでも私は十分辛抱できました。目の前にいつもより大きいレッスン―彼の個人としての生活というレッスンがあったからでした。

私の数回に及ぶ訪問の際に、これらの質問は、アブドル・バハが話されている間にペルシャ語で書き留められました。最初は通訳の口頭の翻訳に、後には、私がペルシャ語を少し分かるようになったので、私の少ない語数に合わせなければなりませんでした。それが話や句の繰り返しの原因となりました。アブドル・バハより広範囲にわたる適切な表現力を持ち合わせている者は誰一人いなかったからでした。これらの授業で、彼は、雄弁家や詩人ではなく、その生徒の程度に合わせた先生でした。

 この本は、バハイ信教のほんの一部を現わしているにすぎません。バハイ信教はその教義において普遍的であり、質問者それぞれの発達段階と必要性に応じた答えを持っています。

 私の場合、教えは私の初歩的な知識に合わせて易しくされました。目次が示しているように決して完全でもなければ徹底的に追求したものでもありません。―目次は、取り上げられた主題を示すために単に付け加えられたのにすぎません。人は皆、異なっていますが、真理を探究する上では結びついていますので、私にとって非常に価値のあるものは、他の人の役に立つのではないかと思いました。そこで、アブドル・バハにこれらの話を出版する許可を求めたのでした。

 もともとは、特別な順序はなかったのですが、読者の便宜のために大まかに分類しました。ペルシャ語の文に厳密に従い、時には英文が損なわれる程でした。翻訳上、訳文があまりに混み入ったり、わかりにくい所では、少しばかり変更されました。意味をはっきりさせる上で必要な言葉が書き加えられましたが、それはどんな形でも示されていません。機会的な印や、説明上の印で思考が中断されることをさけるためです。またペルシャやアラビアの名前の多くは、平均的読者には混乱のもとになる学問的方法に厳密に従わないで、最も簡単な形で書かれています。

ローラ・クリフォード・バーニィ

 

目次

 

初版に掲載された著者の前がき

 

第一部 人類の進化に与える予言者の影響について

 

一、      自然はひとつの普遍的法則に支配されている  ・・・・・・1

二、      神の実在の立証と証拠  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

三、   教育者の必要性  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

四、   アブラハム  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

五、   モーゼ  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

六、      キリスト  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

七、   モハメット  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

八、   バブ  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28

九、   バハオラ  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30

十、   ダニエル書に実証されている伝承的証明  ・・・・・・・・・・42

十一、 聖ヨハネの黙示録の十一章に関する解説  ・・・・・・・・・53

十二、 イザヤ書の十一章に関する解説  ・・・・・・・・・・・・・・・・・73

十三、 聖ヨハネの黙示録十二章に関する解説  ・・・・・・・・・・・78

十四、 精神的証明  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・84

十五、 真の富  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90

 

 

第二部 キリスト教に関する問題

 

十六、 知的概念を伝えるためには、外面的形式や象徴を使わなければならない  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・93

十七、 キリストの誕生  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・97

十八、 キリストの偉大さはその美徳による  ・・・・・・・・・・・・・・・100

十九、 キリストの洗礼  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・102

二十、 洗礼の必要性  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・105

二十一、パンとぶどう酒の象徴するもの  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・109

二十二、奇蹟  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・113

二十三、キリストの復活  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・117

二十四、使徒たちへの聖霊の降臨  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・120

二十五、聖霊  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・121

二十六、キリストの再来と審判の日  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・123

二十七、三位一体  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・126

二十八、聖ヨハネの福音書の十七章五節の説明  ・・・・・・・・・・129

二十九、聖パウロによるコリント人への第一の書簡の十五章二十二節の説明  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・131

三十、  アダムとイブ  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・136

三十一、精霊に対する冒瀆の説明  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・142

三十二、「招待される者は多いが、選ばれる者は少ない。」という節の説明  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・144

三十三、予言者たちによって述べられた復活  ・・・・・・・・・・・・・147

三十四、ペトロの信仰の告白  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・151

三十五、宿命  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・155

 

第三部 神の顕示者たちの力と状態について

 

三十六、精神の五つの段階  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・157

三十七、神は、神の顕示者を通してのみ理解される  ・・・・・・・・161

三十八、神の顕示者の三つの地位  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・167

三十九、神の顕示者の人間的状態と精神的状態  ・・・・・・・・・・171

四十、  神の顕示者の知識  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・174

四十一、宇宙の周期  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・177

四十二、神の顕示者の力と影響  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・179

四十三、二種類の予言者  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・181

四十四、予言者が神から受ける譴責について  ・・・・・・・・・・・・・184

四十五、アクダスの書にある「啓示の夜明けであるお方には、その最も偉大な不謬性を共有する者はいない。」という一節について  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・190

 

 

第四部 人間の起源と能力と状態について

 

四十六、種の変異  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・195

四十七、宇宙には始めがない  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・199

四十八、人と動物の相違  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・205

四十九、人類の成長と発達  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・212

五十、 人間の起源に関する精神的証明  ・・・・・・・・・・・・・・・・・216

五十一、人間の精神と心意は初めから存在していた  ・・・・・・・・219

五十二、肉体における精神の出現  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・222

五十三、神と創造物の関係  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・224

五十四、人間精神は神から生じることについて  ・・・・・・・・・・・・・227

五十五、魂、精神、心意  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・231

五十六、肉体的な力と知的な力  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・232

五十七、人間の性格に相違のある原因  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・234

五十八、人間の持つ知識の程度と神の顕示者  ・・・・・・・・・・・・・239

五十九、人間の持つ神の知識  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・241

六十、  精神の不滅性(一)  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・245

六十一、精神の不滅性(二)  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・249

六十二、完成には限りがない  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・253

六十三、来世における人間の進歩  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・256

六十四、人間の地位と死後の進歩  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・258

六十五、キタビ・アクダスの一節についての説明  ・・・・・・・・・・・・261

六十六、肉体の死後における理性的魂の存在  ・・・・・・・・・・・・・262

六十七、永遠の命と神の王国への入場  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・265

六十八、運命  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・268

六十九、星の影響  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・270

七十、  自由意志  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・273

七十一、幻と霊の交わり  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・277

七十二、精神的方法による治療  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・280

七十三、物質的手段による治療  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・283

 

第五部 その他の問題

七十四、悪は存在しない  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・286

七十五、二種類の苦痛  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・288

七十六、神の正義と慈悲  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・288

七十七、犯罪者の正しい取り扱いかた  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・291

七十八、ストライキ  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・297

七十九、外部世界の実体  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・303

八十、  真の先在  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・305

八十一、生まれ変わり  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・307

八十二、汎神論  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・317

八十三、知識を得る四つの方法  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・324

八十四、神の顕示者の教えに従う必要性  ・・・・・・・・・・・・・・・・・327