ある日のこと、次男リアズが叫びながら学校から走って帰って来ました。叫んでいるのがリアズだと分かる、にぎやかな調子で、「ディズニーランド!ディズニーランド!」と叫んでいるのでした。長男アスマ、長女モナ、次女シャラ、それに末っ子のアニサも、リアズが何を叫んでいるのかと家の中から出て来ました。
「ここにディズニーランドがあるよ!」と、こうふんしてリアズが叫びました。
「ディズニーランドがこの沖縄にあるの?」とシャラが聞きました。
みんなもこうふんしてきました。
「そうだよ、日本のここだよ!」リアズがさらに大声で答えました。
モナとアスマは顔を見合わせて、それを打ち消すかのように首を横に振りました。
「リアズ!ディズニーランドは東京にあるのよ!」モナが言いました。
「知っているよ!おれの友達がこの夏休みに家族でそこへ行ったんだから!」
シャラとアニサは手をつないで飛び上がって喜んで、「やったー!私たちもディズニーランドに行こう!!!」
アスマが再び首を横に振って、「お前たちは東京がどこにあるか知っているのか?」
「日本だよ!」リアズが叫びました。「日本のここだよ!」
「ああ、もう、わかってないんだから!リアズ!落ち着いて!」モナがみんなの注意を引くように大声で言いました。
「私たちがいる沖縄から見ると東京はまるで外国なのよ!沖縄は東京よりも台湾とか中国に近いのよ!アスマ!!地図を持って来て、みんなに見せたら?」アスマが自分の部屋から社会の教科書の地図を見つけてきました。
「さあー、みんな、沖縄はどこか探してみろよ!」子どもたちは地図で沖縄を見つけました。「じゃあ、東京はどこだ?」東京も見つけました。
「うわー!とお―いのね!」とシャラがおどろいて言いました。
「そうなのよ、九州まで船で約12時間、そこから東京まで車で12時間以上よ!ここから約2,000キロメートルも離れているのよ!」モナが説明しました。
「それじゃ、飛行機で行けばいいじゃん!」とリアズが答えました。
「たった一人でも運賃が高いのに…おれたち5人とお父さん、お母さんも行くと、どんなに高くなるか?」とアスマが言いました。
「ワアーン!!!」アニサは泣き出して、台所で座って絵を描いているお母さんのひざに飛び込んで行きました。もう少しで泣き顔が、お母さんの絵の具でいっぱいになるところでした。
「ディズニーランドに行きたい!」と、前よりもっと大声で泣きました。他の子たちは、お母さんがどう答えるか?アニサの後を追ってきました。
アスマがお母さんに何が起きたのか説明しました。それから、きょうだいたちに向かって言いました。「おれたちがディズニーランドに行くようなことは決してないから、その考えは止めたほうがいいよ!」
シャラが踏んで、「どうして私たちはどこからも遠くにいるの?」と、くやしそうに言いました。
お母さんは子供たちのくやしそうに、怒っている顔を見て、
「自分にないものばかりを考えていると、いつも不満足で不幸せな人生を送ることになるでしょう。でもね、代わりに、あるもので感謝していれば、いつも幸せになるのよ。」と言って、微笑んで続けました。
「それでは2人のタイプのちがう女の人のお話をしてみます。そして、自分はどちらになりたいか考えてみて。」
子どもたちは、お母さんを囲んでテーブルの周りに座りました。でも、みんなディズニーランドをまだあきらめられないようです。お母さんは絵筆を洗って、お話を始めました。
「昔あるところに、貧しい漁師とその妻が住んでいました。ある日、その男が釣りをしていたら、美しい金のうろこをした魚を釣り上げました。
驚いたことに、その魚が男に話かけたの。
『お願い、私を放してください。そうしたら、あなたの願いを叶えてあげます。』男はちょっとの間、考えて笑いながら、
『お前さんを食べないなら、夕食に何か食べるものがいいな。』と言って、魚を放してあげました。男は家に帰る道中、魚が願いを叶えるなんておかしいと思いながら、笑ってしまいました。たぶん自分の想像だったかも知れないと思ったのね。家に着いたら、妻が走り寄って来て、
『私が留守の間にテーブルに夕食にいいご馳走が準備されていたのよ。誰が準備したのかしら?』と言いました。男がそのご馳走を見て、とても驚きました。そこで魔法の魚のことを妻に話しました。すると妻は怒って、声を上げて男を叱りました。
『なんてバカなんだろう!たった一度きりの夕食じゃなくて、この家よりもっとりっぱな家を願うことができたのに!戻って、その魚からもっと大きくて、きれいな家をお願いしてくるのよ!』
男は目の前のおいしい夕食を欲しそうだったけど、妻は男を家から追い出しました。男は魚の所に戻って、その魚を呼びました。魚が水面に現れると、男は妻の言ったことを説明しました。魚はあまり気が進まなかったけど、その願いを叶えることにしました。男が家に帰り着いたときは、とても疲れてお腹が空いていました。それなのに妻が
『大きくて、きれいな家も良いけど、どうせ願いが叶うのなら、お城がいいわ。戻って、お城にしてもらってきなさい!』ときつい声で言いました。
『おれは疲れてお腹が空いているんだ。先に食べさせて、休ませてくれ。』と男が言うと、妻はしぶしぶ男の言う通りにしました。つぎの朝、さっそく男はまた家から追い出されました。」
「なんて意地悪なおばさんね!」アニサが言いました。みんなもそう思いました。
お母さんが続けて、「男は魚の所に戻って、恐る恐るお城をお願いました。魚は怒ったけど、願いを叶えることにしました。男が家に帰ってみると、これでも妻はまだ満足しません。お城に住むには自分は女王になるべきだと言い出しました。これには魚もまいって怒ったけど、彼女を女王にすることにしました。男が家に帰ったら…どうなったか、
さあー、みんなは信じられないかと思うけど?」
「まだ満足しなかった!」子供たちが一斉に答えました。
「その通りよ、そして今度は世界の支配者になりたいと言ったの。
魚はそれを聞いて、カンカンに怒って言いました、
『もう、がまんできない!全部取り消す!!!』
漁師が家に帰ると、もとの見すぼらしい古い家で妻は相変わらず怒って待っていました。男は、これまでのことは夢かも知れないと思っているうちに、笑ってしまいました。終わり!」
子どもたちは「なんと欲張りな女!」「なんて恥じ知らずな女!」
「私、彼女が嫌い!」「かわいそうな男」と口々に言いました。
お母さんが「次はもう一人の女の人のお話ね。」と言って始めました。「この女の人が家に歩いて帰る途中、古くてほこりにまみれた鉄のなべを見つけました。
『まあ!これ、庭の植木鉢にちょうどいいわ!私って世界一運がいい!』彼女は鉄のつぼに肩かけを巻き、重いなべを引きずり始めました。
しばらくしてとても疲れてきたので、休みました。そのとき、なべが金貨でいっぱいなのに気づきました。『金貨だ!私って本当に世界一運がいい!』彼
女は再びなべを引きずり始めました。
しばらくして休むために立ち止まり、振り返って見ると、なべが銀のに変わっていました。『このあたりでは銀は金よりも便利がいいわ。簡単にお金と交換することができるし、それに私がいっぱいの金貨を見つけたのは、怪しまれたでしょうね。私は本当になんて運がいいのでしょう!』そして銀の塊を引きずり続けました。
次に休むのに立ち止まると、鉄のに変わっていました。彼女は『まあ、私はなんて運がいいの、コインに変えるには鉄のほうがよっぽど簡単だものね。』と言いました。次に立ち止まったときは今度はただの石になっていました。
『まあ!これ、ドアを動かないようにするのに便利そう!私は本当になんて運がいいのかしら!』家のドアの前に置いたとたん、石は美しい大きな馬に変わりました。馬は彼女を見て、丘の上へと走り去っていき、二度と戻ってきませんでした。さて、彼女は何と言ったと思う?」
「金貨になった後、立ち止まらなければよかった!私はバカだったわ!」と、リアズが答えたので、みんな笑ってしまいました。
お母さんが続けて、「彼女が言ったのは、『魔法のなべを見つけて、素晴らしい冒険ができたわ!私って世界一運が良くて、幸せだわ!』と言ったのです。
さて、両方とも何もない状態から始まり、何もない状態で終わりました。この二人の女の人の違いは何ですか?どちらが幸せだったと思う?自分はどちらになりたいと思う?」
「最初の女の人は決して満足しなくて、感謝もしなかったので、彼女はいつも不幸せだった。」とアスマが言いました。
シャラが「2番目の女の人はいつも満足して感謝し、いつも幸せだった!」と二人の違いを言いました。「私はなべを見つけた女の人のようになりたい!」とアニサが飛び跳ねながら言いました。
「このお話は、ディズニーランドと何の関係があるんだ?」リアズが納得できないでイライラして言いました。
「みんなには二人目の女の人のようになって、どんなことがあっても感謝することを考えてほしいの。私たちは美しい沖縄に住んでいるけど、それについて何が良いか考えてみて。」とお母さんが言いました。
子供たちはちょっと考えました。「寒くなることはないので、一年中、外で遊べるよね。」とモナは答えました。
「それで、ほぼ一年中、海で泳げるんだものね!」シャラが加えました。
「日曜日には、いろんな公園に行けるよ!」幼いアニサが楽しそうに言いました。
「そうね、沖縄には遊べる公園がたくさんあるわね」とお母さんがうなずいて言いました。
「それに、遊園地にはたくさんの乗り物があるよ!」シャラが追加しました。
リアズはお母さんの絵を見て、「あっ!水族館へ行ったときのだ!僕が調教師になってイルカに芸をさせた絵だ!」と、なつかしそうに言いました。
モナは観光名所「琉球村」を描いたお母さんの絵を指差して言いました。
「沖縄の昔の人がどんな暮らしをしてきたか見物できる琉球村があるよ。」
「シュノーケリングとたくさんの美しい魚を見ることもできる!」とリアズが提案しました。
「カヌーレースに参加するから、カヌーをこげるようになる!」とアスマが加えました。
子どもたちは、沖縄には感謝できる、楽しく素晴らしいことがもっとあるのを見つけて、いっぱい言いました。みんなディズニーランドのことはすっかり忘れてしまったようでした。お父さんがドアのそばに立って聞いていたのに、誰も気づいていませんでした。お父さんが、「このことを忘れるなよ!」と言ったので、みんなが驚いてお父さんを見ました。お父さんが続けて、「ないものを考えて悲しくなるより、代わりにあるものを探して感謝することだ。そうするといつも幸せな気持ちになる。感謝すれば、あるもので満足するんだよ。」と言いました。
「お父さん、明日シュノーケリングに行っていい?」とリアズが聞きました。
子どもたちはお父さんの返事に期待して、お父さんの顔を見ました。お父さんがほほ笑んで、「いいねー!よし、みんなで行こう!」と答えました。
「やったー!沖縄サイコー!」と子どもたちのうれしそうな声がひびき渡りました
クイズ
- お話の始めの方で、リアズは何にこうふんしていたのでしょうか?
__________________________________________________________________________ - 子どもたちはどこに住んでいますか?
_______________________________________________________________________ - 沖縄は台湾か東京か、どちらに近いですか?
_______________________________________________________________________ - お母さんの最初のお話に出てくる、魔法の生き物とは何ですか?
_______________________________________________________________________ - 漁師の妻は、どの願いが叶って満足したでしょうか?
_______________________________________________________________________ - 2番目のお話の女の人は、最初に何を見つけたのですか?
_______________________________________________________________________ - なべの次に変わったのは何ですか?
_______________________________________________________________________ - なべも何もかも消えて、この女の人は幸せと思ったでしょうか?それはなぜでしょうか?
_______________________________________________________________________ - 子供たちが沖縄で感謝できるものは何でしたか?いくつかあげてみましょう。
_______________________________________________________________________ - あなたが欲しいものがない場合、どうすればいいでしょうか?
______________________________________________________________________
どうですか?答えは保護者のページにあります。
美徳ゲーム
遠くの友人や家族とオンラインで再生することができます
*ゲームをコピーする
*サイコロを一つ用意する
*ゲームをする人は、自分のと、他の参加者のマーカーも用意する
コインか、おもちゃか、マーカーにふさわしいものなら何でもよい
*先ず、最年少からゲームを始めて、サイコロを転がし、出た目の数だけそのマーカーをゴールに向かって進める
*進めたところが美徳ボックスの場合は、ボックスの指示に従う
*次の順番の人も同じようにする
*ゴールにたどり着くのは出た目の数がちょうどゴールまでで、その人はゲーム終了
足りなくても超えても、次の自分の順番でもう一度チャレンジすることになる
*ゴールにたどり着いた人には祝福のサインをおくるのを忘れないでください
*みんながゴールにたどり着くまでゲームは続ける! 😉
↓↓ダウンロード↓↓
「困窮であっても感謝し、豊かであっては寛大であれ。」バハオラ
「人間の本質は精神的であり、精神的に生きてこそ本当の喜びがある。」アブドル・バハ
「あなたに神の慈悲と恵みを下さった神に、あなたはどれほど感謝すべきなのか知っていますか?あなたが一呼吸するたびに千回は神に感謝すべきだとしても、あなたを創造して、教育して下さっってきた神に感謝するには、それでも十分ではないのです。神はあらゆる苦難からあなたを守り、そして、あらゆる贈り物を準備されて、あなたに授けられました。神がどんなに親切な天の父であるかを考えてみてください。あなたがお願いする前に、それを神の贈り物として授けておられたのです。私たちは存在の世界にはいなかったのですが、生まれるとすぐに、私たちが必要とする、あらゆるものが準備されているのを見つけました。そして、お願いはしていないけど私たちの快適さに応える準備もされていたのです。神は私たちに優しい父親と、思いやりのある母親を与えておられます。母親の二つの泉からは健康に良いミルクが用意されています。
清らかな雰囲気、活気あふれる水、そよ風、頭上には光り輝く太陽が用意されているのです。要するに、私たちはこれらの素晴らしい贈り物のどれもお願いしてはいなかったけれど、神は私たちの人生で必要なすべてのものを提供されているのです。この純粋な慈悲と気前の良い恵みとで、私たちがお願いするまでもなく、神はこの素晴らしいごちそうをテーブルに準備されたのです。これこそ私たちがお願いする前の神の慈悲と恵みです。もう一つはお願いの後の神の慈悲と恵みがあります。神は私たちにたずねることなく、私たちの願いを叶えました。神はこの輝く世紀に私たちを創造されたのです。過去の神聖な魂のすべてが憧れ、期待されたこの世紀にです。」アブドル・バハ
(ここの日本語訳は未公認です)
クイズの答え: 1)日本にディズニーランドがあると聞いてこうふんしていた。2)沖縄に住んでいる。3)沖縄は東京よりも台湾とか中国の方に近い。4)魔法の魚。5)それらのどれにも満足しなかった。6)鉄のなべを見つけた。7)なべの中に金貨がいっぱいになっていた。 8)はい。素晴らしい冒険ができて世界一運が良くて幸せだと言った。9)暖かい天候、ビーチ、公園、遊園地、琉球村、シュノーケリング、カヌーレース、水族館など 10)感謝していることを考える。