結婚までの準備と手順
かくして、御恵みと慈善を人間に顕現し、世を秩序あらしめんと欲し給うた時、神は、掟をあらわし、法を創り給うた。その中で、神は結婚の法を確立し給い、それを幸福と救いの要塞となし給うた。また、神聖の天より『最も神聖なる書』に下されたことにおいて、結婚をわれわれに命じ給うた。神の栄光は偉大なり!神はこう述べておられる――「おお、人々よ、結婚せよ。それにより、汝らの中から、わが僕らの間でわれを記憶する者が現れ出ずるように。これは、汝らへのわが戒律のひとつである。自身への援助としてこれに従うがよい」。(バハオラ)
バハイの法に基づく、バハイの行政上必要な結婚の条件は以下の通りです。(二人の男女が結婚をしたいという前提条件で)
(1) 両親の承諾を得る:バハイの法では、相手がバハイである・ないに関わらず、親の承諾が必要です。「親」の定義は原則、「生みの親」です。もし、生みの親に長年会っておらず、所在が分からないなど特殊な理由がある場合は全国精神行政会までご相談ください。また、承諾は原則、書面にて提出ください。一定の書式はありませんが、テンプレートをご参考にしてください。ただし、結婚する二人の名前と親の名前、署名、日付は必須です。
(2) 証人になっていただく方を二人お願いする。バハイである必要はありませんが、行政会による承認が必要です。基準は「信頼できる人」となっております。新郎新婦の親も証人になれます。
(3) 親の承諾書、証人の氏名、バハイの結婚式の期日・場所の情報を添えて、地方精神行政会がある場合はそこで、ない場合は全国精神行政会へ行政的な手続きを申し込みます。
(4) 承認が得られれば、あとは挙式をするだけです。バハイの挙式に必要な条件は、上記の二人の証人の前で、「結婚の誓い」の言葉を交わすことだけです。その言葉は「我々は皆、神のご意志に従うものであります」です。
(5) バハイ結婚証明書に新郎新婦及び証人が署名します。原本を保管し、コピーを行政会に送付してください。証明書式は全国事務局まで(nationaloffice@bahaijp.org)。
(6) また、民事の結婚(日本の場合は市役所への婚姻届)はバハイの結婚と同日にすることが原則です。ただし、式は週末に挙げることが多く、市役所はお休みであることが通常です。その場合、事前に婚姻届の書式を取得し、休みの日に宿直の人に届け出を委託できるが相談してみてください。できない場合は、次に市役所が開く日に提出されれば結構です。要点は、なるべくバハイと民事の手続きの時間差を短くすることで、市役所が休みの日は受理しないのであれば届け出が1-2日遅れることは仕方ありません。
(7) さらに、相手が異なる宗教の信者で、その宗教の式を挙げることを希望する場合、やはり同日に行うことが原則です。これについても、上記の(6)と同じく、なるべく二つの式の時間差を開けすぎないようにするということが要点です。
(8) なお、バハイの法の書{アグダス}には婚約の期間が親の承諾を得てから95日間と定められていますが、現時点では中近東出身者のバハイのみに適用される法です。この法の精神は、婚約期間が長くなりすぎると、状況が大幅に変化したりして結婚することが困難になったりするという事態を回避するという意味合いがありますので、中近東以外のバハイも大いに参考にできるものです。
(9) 上述のとおり、バハイの式は簡素です。慣習上、誓いの言葉の他に結婚に関するバハイの書からの引用文や祈りの言葉や音楽を入れてプログラムを作ったりしますが、決して絶対必須条件というわけでもなく、一定の儀式があるわけではありません。それを前提条件で、プログラムや引用文の一例を掲載しますのでご参考にしてください。
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もう一つ留意すべき点は、「式」そのものと、いわゆる「披露宴」や「レセプション」が同一視され、混同されてしまうことです。たとえば、遠距離から家族や友人を招いたり、国際結婚の場合など、関係者を同じ日に一同に集めることが困難になり、式の日が決められない、大幅にずれ込むなどの問題が起きることがありますが、バハイの法の精神は、式自体は簡素なものであること、基本的条件が揃えば、時と場所にあまり制限されずに行えるようにできています。ですから、いわゆる披露宴やレセプションを、式とは別の日にする、ということも可能です。ご参考にください。
(11)
もうひとつ、「アグダス」には「結納の法」が定められています。これは、新郎から新婦へ納めることになっていますが、現時点では中近東出身のバハイ以外には、施行されていない方です。参考までに、「村落居住者」は銀19メスガル、「都会居住者」は金19メスガル、金額にして現在の相場でそれぞれおよそ5,000円、34万円程度)です。文化や場所によっては、これを物品で納めるというところもあるかもしれません。バハイの法の精神は、伝統的に膨大な額や複雑な決まりごとになっていた世界各地の結納の習慣を、簡素化し、「コミットメント」(結婚を守り抜くという約束)の象徴としての結納にしています。
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上記の点についてもっと詳しく知りたい方は本ホームページに掲載されている引用文をご覧ください。また、「結婚:救済の要塞」というデイープニング資料を学習されることを強くお勧めいたします。また、下記の結婚までの流れ(例)もご参考にください。
結婚までの流れ(例)
ステップ1:自分を知る
ステップ2:結婚し、家庭を築くために必要なスキルとは何か:
*職業
*家庭内のスキル:整理整頓、清潔、食事、もてなし、家計、文芸と趣味、子育て
*協議、共感、意志疎通
ステップ3:自分にとって好ましい相手を見つける
(A)お互いを知る
*あなたが理想とする特質・美徳は?
*性格を観察する最善の方法は?
*決断する前にカップルが話し合うべき内容:経済的な要因、健康に関する考慮点、子どもに関する計画、時間やその他の資源の使い方、家族や地域社会・共同体との関係、カップル同士の身体的・精神的な関係
*カップルとしての家族や地域社会・共同体との関係
(B)両親の承諾を得る。
ステップ4:婚約:両親の承諾を得る。
ステップ5:結婚式
*行政会の承認を得る:親の承諾の確認、行政会が承認する2人の証人が同席する、誓いの言葉)
ステップ6:市役所への結婚届