万国正義院
書記局
2016年8月4日
世界中の全国精神行政会へ
親愛なる友ら
1.バハオラの信教に特有なものの一つがバハイ行政秩序です。それはバハオラが約束された、将来の世界秩序の核とそれを構成する構造様式です。その秩序を築こうとしている友らの活動の基本的な要素の一つは世界各地で信者が全国年次大会のための代議員を選ぶ選挙にみることができます。全国大会はまた、地方と全国の諸事について話し合う場でもあります。これら代議員こそは、「全国精神行政会の経験を豊かにし、名声を高め、権威を支持し、討議を助ける啓発された、諮問的、協力的な機関の機能を果たし」ます。さらに、ショーギ・エフェンディが説明されているように、これら代議員には全国の代表者を選ぶという貴重な、きわめて注意を要する任務が与えられています。その全国の代表者は「自分たちの奉仕の記録を持って、大業の年代記の品位を高め、豊かにします。 従って、友らに自分たちの重要な責務を認識させ、代議員選挙にできる限り多くの参加を得るよう、各全国精神行政会はあらゆる手だてを講じるべきです。
2.全国精神行政会定款に述べられているように、代議員選挙は比例代表制の原則に則って行われます。1985年7月21日付けで全ての全国精神行政会へ送られた手紙で万国正義院は、どこにおいても、全国年次大会への代議員は選挙区単位で選出されるべきであると指示しています。このために全国精神行政会は、自分たちが管轄する領域をその地区に住む成人バハイの数に基づいて各選挙区から1名の代議員を選出するように選挙区を分けます。しかし、場合によっては、一選挙区で複数の代議員を選出するほどの大きさに設定することもあり得ます。通常、それぞれの選挙区で一つの地区大会が催されますが、もしそのような地域大会を持つことが適切でない、あるいは可能でないなら、全国精神行政会は他の方法を考えることもできると、万国正義院は指示しています。たとえば、選挙区をサブ選挙区に分ける、または投票日に投票のための投票所を設けるなどです。
3.2001年に各国をクラスターに分割したことによって、共同体の拡大と強化に関する行政的な事業が大いに強化されました。これらクラスターの地理的範囲を決めたとき、全国行政会は一般的に、住民たちの文化、言語、交通機関、インフラ、社会的・経済的生活などの因子を考慮に入れました。これらの基準はクラスター内の信者らの間の交流を一層容易にし、友情の絆を強め、共通のプロジェクトで共に奉仕し、管理可能な大きさで信教の成長を考え、共同体の草の根に密着する計画を練り、それを実践できるようにしました。予想されたように、信教のその他の行政的なプロセスはクラスター・レベルに起こるそのような発展に影響されています。この点で、幾つかの全国精神行政会はクラスターの境界に基づいた選挙区の設定を妥当と考えました。そうすることで、共同体の拡大と強化によって生み出された建設的な力学が地区大会に関する選挙上のプロセスの強化や、新たな活気つけに向けられるというのです。
4.時の経過と共に、このアプローチの幾つかの局面が明確になりました。バハイ人口が比較的まばらな地域では数個のクラスターで一選挙区が構成されたり、信者数の多いクラスターは単独で一つの選挙区を構成したり、そこには、比例代表制の原則に沿って一人以上の代議員数が割り当てられたりする場合もあるかもしれません。万国正義院はこの選挙区の区割りの方法に従って、まだこのアプローチを採用していないすべての全国精神行政会に対し、今年中にこの適用の可能性について検討するよう勧めます。区分けに際して行政会は、できるだけ、各選挙区で地区大会が開催できるように少なくとも、成長のためのパターンがしっかり根付いている共同体が一つは存在するよう配慮すべきです。
5.全国精神行政会は、その他の条件を考慮する必要がある場合もあるでしょう。たとえば、クラスターの数がとても少ない、小さな国では、上述のような区分けの仕方は一つの選挙区にたくさんの代議員数を割り当てる結果になりかねません。そのような場合は、地方精神行政会の管轄する地区を境界線とすることもできるでしょう。しかしながら、いかなる状況であれ、一つの地方行政会の管轄区を二つの選挙区に分けるべきではありません。他の事例では、たとえば、しっかり機能している共同体が幾つか地理的にはなれて散在している国では、一つのクラスターを幾つかの選挙区に分ける、あるいは幾つかのサブ選挙区に分けることができますが、選挙区をサブ選挙区に分けるなら、その選挙区全体を代表する代議員を選挙するということ、従って投票者はその選挙区内に住むすべての成人バハイの中から代表を選ぶべきであるという点を周知させなければなりません。
6.比例代表制の原則に則って代議員数を割り当てる、つまり、その選挙区に住む成人バハイの人数に比例するように割り当てるとき、信者たちの活動の度合いをその条件とするのは正しくありません。とは言え、全国精神行政会には自分たちの国のバハイ人口に関する情報を判断するある程度の自由もあります。たとえば、住所が分かっている信者のリストとは別に住所不明者のリストを持つこともできます。このような二つのリストを持つことは、バハイ総人口の姿を縮小するものではなく、行政会は住所の分かっている成人バハイの数をもとに代議員数を割り当てることができます。統計報告プログラム(SRP)を使い始めてかなり進んだ国では、プログラムにある人口図は信者の正確な数を映し出していると考えられ、選挙区に代議員を割り当てる時にそれを使用できます。
7. 国内の選挙区に代議員を割り当て、それぞれの選挙区で行われる選挙の方法や手順に関するすべての詳細を決めるのは全国精神行政会の責任です。地域バハイ協議会が設置されている国では、全国精神行政会は地区選挙の準備を監督する役をこれらの協議会にお願いすることができます。その協議会は地域の共同体の実体を十分把握しているので、彼らはまた、サブ選挙区を含めて、全国精神行政会の再考や承認のために、その地域の選挙区分割の案を提出するよう求められるでしょう。すべての国で、地区大会やそのサブ集会実施の詳細は、通常、地方行政会に委譲されます。選挙区内にしっかりした地方行政会がないところでは、この任務は委員会に託しても構いません。
8.地区大会の開催のまとめ役は、地区内に住む成人バハイ全員が確実に自分たちの代議員選挙に投票する機会を得られるようにしなければなりません。このために、サブ集会をも含め、大会の会場としては友らが容易に行けるようなところを選ぶよう注意する必要があります。自分たちの共同体の諸事や大業の発展について話し合うレフレクション・ミーティングといったような機会があるので、そのような集会と同じ日に地区大会を持ち、信者らが投票できるようにすることもできます。地区大会に参加できない友らのために、19日毎のフィースト、あるいは特別に設定された場所で、また郵送で投票を受領できるような手配をすることもできるでしょう。もし、選挙を管理する機関が、投票者を確実に判定でき、投票の秘密が厳守できるなら、電話、e–メール、テキストメッセージ、オンラインなどでの投票も受け入れることもできるでしょう。
9.ひとたび代議員が選出されたなら、彼らの全国年次大会参加を確実にするためにあらゆる手だてを講じるべきです。2013年5月16日付け万国正義院の手紙に要約されているように、代議員たちは全国年次大会で自分たちの義務を遂行します。幾つかの国には、全員参加を阻む膨大な障害がありますが、全国精神行政会はやがて、最大限の参加を確保する方法を見出すでしょう。たとえば、全国年次大会に出席するために遠くから旅しなければならない代議員たちには負担できないほどの経済的な重荷がかかるかも知れません。そのようなケースでは一般的に、代議員が自分の旅費を払えないようなら、その代議員を送る選挙区の信者らがそれらの支出を負担するよう奨励されます。もし、その方法での援助が得られなければ、代議員は全国精神行政会に援助を求めることもできるでしょう。しかし、すべての代議員に全額返済というポリシーを適用することは賢明ではありません。当然、そのことは、それぞれの代議員の状況を考慮して、全国年次大会へのその者の参加を援助すべきか否かを決めるのが不適切というのではありません。代議員たちは参加できない場合でも、新年度の全国精神行政会メンバー選出と云う自分たちの精神的な義務を遂行すべきです。
10.新たな一連にの「計画」の発端は、隊をなす集団加入のプロセスの系統的な促進を目指して以来、最大名の共同体が聖なる書に収められている原則や、世界の津々浦々の市町村で集積された成長に関する貴重な経験に照らして、行政秩序の進化にたくさんの洞察を得ました。バハイの教えに沿って適用される、極めて秩序正しい選挙のプロセスは信教の機構の健全な発展の鍵となる構成要素です。地区大会は、バハイ選挙の特有な性質について友らの理解を深める場となり、全国年次大会へ送る代議員の選挙に誠意を込めて参加することは、自分たちの全国精神行政会への愛を一層強め、行政会との精神的な結びつきを強化するうえで、責任ある、意識的な信者全員にとって格好の機会となります。この聖なる任務を遂行するためにますます多くの友らが進み出ることは、万国正義院の切なる願いであります。あなた方がこのために入念な努力をするとき、聖なる賜物があなた方と共にあるよう聖なる廟で祈っていることを確信してください。
愛に満ちたバハイの挨拶をもって
書記局
cc: 国際布教センター
大陸顧問団
各大陸顧問