万国正義院

バハイ世界センター

152年レズワン

世界のバハイへ

 

親愛なる友へ

 

1. この最も聖なる祝祭の時期を迎えるにあたり、この一年間でバハイ共同体全体の活動が拡大したことの大きな喜びと三年計画の最後の年における任務と可能性に対する熱い期待を込めて、みな様方にご挨拶申しあげます。差し迫った社会問題の解決策を探している各国の指導者達や人々の間に絶望感が漂っていることに、我々は不安と期待を抱いております。まさに、このような死に物狂いの状況は、バハオラの教えを欲する世界的な叫び声そのものであり、良心的なバハイ機構や個人であれば、決して見過ごすことのできない挑戦的課題であり、約束されていたことであります。

 

2. 国連が招集した世界的指導者達の一連の国際会議の中で、最も最近開かれた社会開発のための世界サミットでは、この悲しい展望が明白に描かれました。しかし、こうした会合が、各国政府の政策に今すぐ影響を与えなくても、また世界中の大多数の人々が、こうしたことに無関心であっても、あるいは、気づかずにいても、このような会合が次々に開か

れるということは、バハオラの意思の最終的達成に向けて、世界中が徐々に動きはじめた兆候であると言うことがどんなバハイの目にも明らかです。この意思とは、ますます地球的規模になった社会が直面している重大事項に関して、討議を行い、決定を下すために、各国の為政者たちが会合を持つようになるというものです。

 

3. 幸いなことに、コペンハーゲンのこの重要な会合では、このサミットやそれに関連したNGOフォーラムの参加者達に聖なる医師によって処方された治癒薬を伝えるために、40ヵ国以上の国々から集まった250人のバハイの友らのすばらしい努力が積み上げられました。こうした努力は、サミットだけにとどまらず、今現在もなお、世界中のいたる所で続けられています。サミットの期間中やその前後を通して、数多くの活動を一気に生み出したバハイ機構、機関、各個人に対し、心からの感謝を込めて、我々は拍手を送ります。なぜなら、小平和への過程にさらに影響を与えるようになったという点で我々の世界共同体が大きく前進を遂げたことが明らかになったからです。もう一つは、社会を改善するバハオラのメッセージをさらに広める機会が大幅に増えたことがはっきりしたからです。このような世界規模の会合がもっと頻繁に開かれ、そして、バハイ共同体がより集中的にその目標を追求するにつれて、数十年前にショ一ギ・エフェンディが著した二つの並行する過程が、今お互いに近づきつつあることがはっきり認められるようになりました。その一つは、各国を政治的に統合へと導くものであり、もう一つは、一つの共通の信念に基づいた、心の統合につながるものです。

 

4. 我々は、三年計画の二年目に見られたバハイ共同体の発展と背景に自信を持ってこうした見解を示しました。対外活動が、国・地方レベルで大変盛んになりましたが、それよりもっと心が震えるほど感激したことは、ティーチングをやろうという呼びかけに対して、世界中のバハイの反応が質的にはっきり向上したことであります。ティーチング活動の盛り上がりを見ていると、この避けられない個人の義務に対する理解が深まってきたことが分かります。この心強い状況はいくつかの活気づける要因から生じたものです。その要因を合わせて見れば、それは長い間待ち望まれた、隊をなす集団加入の前兆であるとも言えるでしょう。これらの要因として挙げられることは、まず、「隊を成す集団加入」の編纂集が、多くの言語に翻訳され、注目されてきたこと、国際・大陸顧問の働きが、世界中で影響を及ぼしていること、顧問補佐とアシスタントの機能が進歩したこと、子供の教育の重要性を強調してきた効果が現われてきたこと、ティーチング計画を推進したり、その他のバハイ活動の領域にたずさわったりしている若者の活力などです。

 

5. 精神行政会が力を強めていることも、この明るい状況を促進するものです。行政会は、主にティーチング活動に焦点を当てて努力する一方、さまざまな課題に対応するように求められています。我々は、特に全国精神行政会にのせられた重荷を心に留めています。管轄内の共同体を構成する人びとがより多様性を増してきており、また共同体が必要としている導きや援助がますます複雑化しているからです。

 

6. バハイ共同体が到達した様々な発展段階を全体的に見ると、三年計画の三つのテーマに多大な努力が向けられていることが分かります。三年計画では、信者個人のバハイの信念の力を高めること、大業の人的資源を大量に開発すること、地方・全国のバハイ機構の正しい機能を育成することが求められています。

 

7. しかし、まだ未達成の面が多く残されています。これらの目標を達成するには、個人と機構からのめざましい対応が要求されます。もし、私たちの共同体が社会にはびこる道徳腐敗の猛威と戦い、ティーチングと信教の業務に必要な献身的な人びとの大軍を生み出し、爆発的に増加する共同体の要求に答えられるような機構に成長させるためには、個人と機構のめざましい努力が要求されるのです。

 

8. 共同体が直面する挑戦的課題に効果的に対応していく時の基礎となるのは、とりわけ個人と地方精神会に必要とされていることです。一つは、大業をティーチングしたり、信教の目的と必要事項のより深い理解を得たりするための一人一人の自発的な努力です。これは個人の権利と義務であります。また、こうした自発的な精神を発揮すると同時に、共同体全体の企画や活動に個人が参加していくことも必要です。もう一つは、信者一人ひとりの自発的な活動を可能な限り歓迎、育成、そして調整していく地方精神会の役割であります。そして、共同体内のメンバー各人の才能と能力を駆使し、ティーチングや開発計画、研修会、その他のグループ活動といった集団の活動に一人ひとりを巻き込んでいくような計画を立案し、また、進めていく貢任もあるのです。こうした分けることのできない必要事項を実践しようと良心的に努力していけば、共同体を拡大し、強化して、一体感のある活動の雰囲気を生み出していくでしょう。

 

9. 昨年は、政府高官の他、著名人や報道関係の代表者が、ぞくぞくと世界センターを訪れました。このことは、信教の精神的・行政的中心の重要性が世界中の目に明らかになってきたことを示しています。これは、各国の政府が、発展を続ける世界信教の中心と親密さを増していく傾向が強まってきていることを示すものでもあります。この傾向を現在建設計画の現場である神の山から見る時、また、国や地方のバハイ共同体が遂げている発展と関連づけて考えて見る時、私たちは、ショーギ・エフェンディが示した先見の明の信憑性(しんぴょうせい)が明らかになりつつあることがもっとはっきりと理解できます。彼はバハオラの信教の世界的な行政の場となる建造物が建つことを示唆して、次のように述べました。「この遠大で、止めることのできない過程は、二つの同じほど重要な発展、つまり、小平和の確立と、国や地方のバハイ機構の進展を同時に促すであろう。」現在の世界情勢を考えると、カルメル山上計画は、計画どおり、かならず完成させなければなりません。

 

10. この計画は驚くほどのスピードで進んでいます。そして、その規模の大きさや現われ出ようとする威風堂々とした姿に、巡礼者や観光客や地元の住民たちは目を見張っています。建設作業は、すべて建物において同時に進行しています。バブの廟から下方に七つのテラス、上方に五つのテラスの建設作業が、全力を上げて進められています。今年に入ってから、過去には見られなかったほど多くの建設契約書に署名がなされました。これには、アークの中の建物に使われる大理石を、あるイタリアの建設会社に供給させるために最近交わされた契約も含まれています。この事業は、弾みがついて進行しており、遅れが許されないことは明らかであります。したがって、これに見合う献金が必要不可欠です。1996年のレズワンまでに、三年計画の目標である7400万ドルを達成するためには、あと残り4千万ドルが必要です。

 

11. 今年のレズワンでは五つの全国精神行政会が誕生し、新年が幸先よく始まりました。神の大業の翼成者アマトゥール・バハ・ルヒヤ・カヌーンはアルメニアとグルジア、大業の翼成者アリ・モハメツド・ヴァルガ氏はベラルーシとシシリアの、大陸顧問フーシャン・アーデイ氏はエリトレアの第1回全国年次大会に我々の代理として出席されます。さらに、南アフ

リカの地域が政治的に統合した結果、ボツワナ、シスケイ、南アフリカ、トランスカイの共同体は一つの新しい南アフリカ全国精神行政会に合併し、一つの管轄になります。こうした理由から、全世界にある全国精神行政会の数は、172から174に増えました。

 

12. 親愛なる共同者の皆さん。人類の今の苦境は、目標を達成するための必要量に留まらず、私達に対して二倍量の行動を要求しています。狂乱する世界の運命に立ちこめる絶望という名の暗雲は、あらゆる人々の精神的で物質的な渇きを癒す春の雨の兆しそのものなのです。確信に満ちた、たゆまぬティーチングの努力がその雨雲に散布されるべき粒子となります。こうした活動を実践していくとき、バハイ機構が機能として補強援助をしますが、基本的には、また、究極的には、バハイ一人ひとりにかかっているのです。

 

13. 行き過ぎた自己批判や能力がないとか経験がないとか自信がないとかいった気持ちが、あなたの妨げにならないように。怖がってはなりません。あなたの恐れをバハオラの保証の内に葬りなさい。「彼」の名を口にする者は誰でもその上に「神の援助の軍勢」が舞い降り、そして、そのような者の上に「それぞれ純粋な光の聖杯を高々と掲げる天上の一団」も舞い降りるとバハオラは言われなかったでしょうか? ですから「彼」の愛する者達、すべて、平等に召され、等しく努力を求められ、盛大に祝福されるこの格闘の場へ足を踏み入れなさい。なぜなら、ティーチングをするということは「すべての行いの中でもっとも称賛すべき」行いであるとバハオラ自身が断言されているからです。また、地球の歴史の上で特筆すべきこの時期に、もっとも緊急で、重要なことは、軍勢の主が司(つかさど)る晩餐会にあらゆる種類の人々やいろいろな才能をもった人々を招待することです。

 

14. 我々がみなさん方にこのメッセージを送ろうとしている今も、今後獲得されるべき数々の勝利への展望がはっきりと見えてきます。三年計画の残りの期間中に数多くの勝利を収めることができると我々は確信しています。1996年のレズワンから開始される次の地球的規模の事業の舞台を整えるためにも、勝利の獲得に向けて一生懸命努力しなければなりません。他でもないアブドル・バハ自身は今世紀のことを「永遠に続く足跡を残す」期間であると述べました。来年のレズワンには、今世紀の業積にふさわしいフィナーレを迎えるために、世界中を巻き込む運動を起こすでありましよう。

 

バハイの愛を込めて

万国王義院

(署名)