万国正義院

 

バハイ世界本部

 

1992年レズワン

 

世界のバハイへ

 

心から愛する友へ

 

1. 今年のレズワンは、この時季の本来の素晴らしさに増して、普段と異なる数々の特別な行事が続く日々の幕開けの時であり、我々の胸は驚嘆にときめき、「栄光の王」への敬意をもってひざまづくのである。その「栄光の王」の恵みにより我々は信教の歴史の中での慶賀の節目に到達したのである。

 

2. 今、終了した六年計画の勝利の頂点から、百年前にすべての時代に「約束された者一バハオラがこの世での生命を終えた聖なる時を記念し、他に例のない意義深さに畏敬の念に打たれ、今始まった「聖なる年」の戸ロへと来たのである。しかしながら「真理の太陽」は沈んでも、「不朽の栄光の王国」から永遠に輝いているのであり、以来その蘇生力は全地球上に光を降り注いでいるのである。『理解できない程偉大』な「啓示の創造者」、『過去のすべての宗教の時代が最高の、究極の目的』とした、『少なくとも50万年以上は続く』新しい「普遍的周期」を「始める者」、「世界秩序」つまり『システム—人間の眼がかつて見たことのない制度』の「基礎を作った者」、その人がこの世を離れたのである。さらに、「彼」は『神の最高にすばらしい恵みが人間上に降り注ぐ時代』に「神の時代が明けるその場」に立つ人であった。人類の歴史の中で重大な意義をもつこの時をむかえる特別の記念の日々に、我々はこのような最高無比な事実について瞑想すべきなのである。

 

3. この聖なる年に引き起こされる神聖な思いで胸が溢れており、そのため皆さんすべてがぜひとも、この熟思の時、この再び神に奉仕する時、そしてこれからなすべき仕事、これから到達すべき高い所、これから明らかにされるすばらしさ、これら

に向かって進む準備の段階に入るまえに、一時休止をとるよう呼びかける次第である。休みなく発展し続けてきた前例をみない過去百年の歴史を振り返り、同時に神の目的が次々と達成されていくこれからの数世紀を予想してみるときである。この目的の達成は、組織的ないくつかの「計画」の進展と各時代の驚くべき飛躍と活動を通して次々と実現されていくことは過去の経験から確実である。

 

4. 恵沢多い聖なる年の入口を入るとすぐに、六年計画の勝利によって開かれた新しい水平線が望まれる。これはちょうど信教の形成の時代の四番目の時代の第一段階に一致する。六年計画中、多くの場所で、また特別な時期には、非常に大きな規模での拡張があった。しかし、全体としてみれば、六年計画の勝利は数の上での勝利よりも多岐にわたる新しい形の成果が目立った。そこには新たに始まったもの、新鮮な試み、高度な機構上の発展などがあり、六年計画の七つの主たる目標に成功の刻印を打たせたのはこれらの分野での成果である。この六年計画の結果を二、三頁で列挙していくことは不可能ではあるが、注目すべき力に満ちた時期に見られた発展の重要な点だけでも、主なところを拾い出す価値はあるはずである。この六年間にバハイ共同体はおおいに変貌している。主な特徴だけでも挙げていば、バハ

イの友にとってどこにいようともそれは納得いくものであろうし、以下のようにまとめることもできよう。

 

5. 第一:バハオラの信教は地球上のすべての国の国民を含むに至った。政治状勢の突然の変化は、神の「大きな計画」の干渉によることは疑いもないが、まず旧ソ連邦と東欧諸国をはじめとし、広大な地域を神の教えに開いた。この機会によってショーギ・エフェンディの世界10年布教計画以来の、最後に残されたバハイにとっての未踏の地にまでバハオラの騎士が留まることができるようになったのである。また、同様に1990年のレズワンにはこの地のための補足的な2年計画が始まることにもなったのである。この補足的な計画は、対象とする多くの国における拡大という意味のみならず、これらの国々において新しいバハイが代表している社会の層を見てもまさに多様性を示しており、また出版されたバハイの書物の量、種類、短期間に次々と設立されたバハイの機構、どれをとっても劇的ともいえる成功をおさめたのである。バハイ世界全体がこれらの発展によって大いに刺激され、かなりの数の国において布教活動で顕緒な成功を記録している。これまでに世界本部に入った数字をみても、この六年計画の間に信教に入った人の数は150万人以上であった。中でも興味深いのは、ガイアナでの3年間特別布教プロジェクトで、これによりバハイ共同休の規模が国の人口の約6パーセントに達しているという点である。

 

6. 第二:世界中において信教の宣布はまったく新しい段階へと進んだ。1967年、バハオラが人類の国王や施政者に「宣布」を行なった時からちょうど百年たった事を記念しての宣布のキャンペーンが始まったが、1979年にイランのバハイ共同体を襲った迫害の波は一層宣布を推進し、そして今、『平和への確証』の配布により大々的に広い範囲にわたって行なわれてきている。いまでは国王、女王、大統領、首相、国会議員、法律家、学者が、種々の機構や団体が、バハオラの教えを認識するに至っているのである。あらゆる共同体が信教を広く知らせるために発揮した創造的なエネルギーはこの六年計画を推進する力ともなり、種々の団体、世論の先導者、報道関係を、どうしようもない程に秩序を失った世界に対して信教が与えてくれる解決策に引き付けるのに少なからず貢献した。信教の宣布の際に発揮した強い力に勇気づけられ、また迫害を受けてきたイランのバハイ共同体をひたすら守るための絶えまない努力の力により、全国精神行政会や地方精神行政会は一般の社会との対応にあたって驚くほどの大胆さや独創性を示してきたし、また今後も示し続けるはずである。これは政府のあらゆるレベルの官吏と数え切れないほど多く接触している事実、種々の団体との交流が広範囲におよんでいること、そして報道関係との接触も一層増加していること、などをみれば明らかである。

 

7. 第三;198612月、インド亜大陸の礼拝堂の献堂式が行なわれ、一般にも公開されると、信教の布教と宣布にとって新たな力が引き出されてきた。この建造物の稀にみる美しさと雄大さは、『蓮の花の礼拝堂』として多くの人々の歓喜をよびおこし、同時に膨大な数の訪問者に訴えるものは普通のものではない。建築学的にみてすばらしいという評判は、その精神的な影響力と相まって広まっている。すべてのバハイの礼拝堂の中で、このインドの礼拝堂は今日最も影響力をもつ、信教の沈黙の布教者であり、訪問者は年々増加し、いまでは一日平均20,000人を数え、ここだけで他のすべてのバハイの礼拝堂の訪問者の数の総和を越えているのである。多くの国々からの訪問者の中には世界で最も著名な何人かも含まれている。報道関係も非常に興味をもち、ロシアや中国でさえもこの礼拝堂はテレビの番組の中でも紹介されている。信教が広く社会に知られるようになったのも、このような成功を示した影響力によるのである。

 

8. 第四:信教が無名の状態から次第に抜けだしていることはいろいろな面で認められる。学者の集まりで、参考文献の中で、そして報道関係で、信教は『主たる』または『重要な』世界宗教として以前にまして多く紹介されてきている。信教の活動についての取材をした報道は、宣布活動におけるバハイの努力が募り、膨大な数にのぼってはいるが、ここでより一層重要なことは、報道関係者がバハイの共同体そのものに自分から興味を示しているということであり、世界中でいろいろな分野においてむこうから接触を求めてきているということである。社会の中で影響力を持つ層の人々が、平和、環境、女性の地位、教育と識字、などの分野において、バハイの思想を知るに及んで、バハイに政府の、あるいは非政府団体と協力して推し進めるプロジェクトにぜひ参加してほしいという呼び掛けがますます多くなり、対応を求められるようになってきた。

 

9. 更にこのように、一般社会がバハイの思想を知るようになると、バハイ信教は現代の諸問題への解答を持っており、従ってバハイ共同体は社会の問題に対して一層積極的に取り組むべきであるという期待感が次第に人々の心のなかに育ってくるのである。この六年計画の間に設立された、バハイ国際共同体の環境局の活動が成功をおさめていることは注目すべきであり、上にのべた発展がどの様な内容のものであるか十分にわかりやすく説明されている。さらにまた、バハイ国際共同体と世界自然保護基金のネットワークや、世界宗教者平和会議との間の正式な関係はこの他の各全国精神行政会や地方精神行政会がそれぞれの地域で作り上げている同様な関係と相まって、信教が他からも頼りにされている存在であるという傾向がでてきていることを反映しているのである。これらすべてを見ても、多岐にわたっての宣布のキャンペーンを進めてきたことが、社会に反響を引き起こし、信教が最も重要な社会の機構や地球上の著名な人々に知られるようにまでなったということができるのである。

 

10. 第五:バハイの社会経済発展計画も大々的に増加し、数多くの場所で率先して動き、奉仕と協議の精神で活動する力をもったグループの模範として地域社会の信望を集めてきている。この分野での活動としては、教育、農業、保健、識字、環境、婦人の地位向上、など一千を越えるプロジェクトがある。多くの場合、これらのプロジェクトは政府や国際NGO、非政府団体、からの資金援助の協力も受けている。例を挙げると、女性の地位向上プロジェクトでは五つの全国精神行政会が国連婦人開発基金(UNIFEM)の経済的援助を得て進めているし、他の分野でのプロジェクトでもカナダ、インド、ドイツ、そしてノルウェーの政府の援助で活動しているものもある。プロジェクトによってはその達成状況が顕著なために政府や、国際非政府団体の機関から感謝状や表彰を受けたものもある。

 

11. 第六:ユース、バハイ青少年の活動は、ユースの奉仕の年の考え方により具体化され、独特な様相を示した。六年計画の短期間パイオニアとして、布教旅行者として、そしてプロジェクトの推進役としてユースが活躍したことは、布教活動全体の大きな影響を与え、その数も次第に増えてきているが、全国、地方共同体によって企画された社会経済発展計画の努力を支援してきた。ユースは旧共産主義国家における数々の勝利にも大いに力を発揮してくれた。ユースが関与してくれた、社会経済発展計画プロジェクトは、いくつかの例で政府や開発促進団体の注目をも集めた。ヨーロッパ・ユース協議会の設立はユースの活動を活性化し、これにより六年計画の最後の数年間、ヨーロッパ大陸で急に活発化した布教活動を力強く支援できたのである。ユース活動の重要な面としては、バハイ世界本部での奉仕活動として、地球上あらゆるところからのユースが短期間のボランティアとして働いてくれていることがあり、世界本部でのユースの奉仕は計り知れぬほど貴重なのである。

 

12. 第七:バハイ行政のシステムの強化における進展は顕著である。機構の二つの腕の、それぞれの内部での発展と双方の協力面での努力が特に目だつ。人々から大切に尊敬され、勇気をもった大業の翼成者は、自分たちが敬愛した守護者への忠誠

をまさにそのままに、彼らにしかできない奉仕を続け、そのはつらつとした精力に共同体は目をみはっているほどである。大陸顧問やその補佐の中で次第に育ってきている自信と強さを見れば、強化され活気に満ちた国際布教センターに支援されて、神行政会を励まし、提言をし、精神行政会にすべてのシステムの繁栄に欠くことのできない支援を与えていることが分かる。また、全国精神行政会も地方精神行政会も自分達の共同体が進む道を先導する責任を負わされており、この精神行政会の活動の範囲の拡大がこのシステムの基盤を十分に広げるようになってきているのである。同時に上に述べた機構の働きにより、バハイ機構の機能が発揮され、その発展が推し進められている。それ以上に、機構として今後も引続き成長していく前兆ともいえる、創造的な力を誰にも分かるように示したのである。

 

13. 第八:「神の丘」の偉大な建設計画は、バハオラが「カルメル山の書簡」のなかで予言として述べられ、アブドル・バハがバブの廟の建設を開始し計画を実行に移し、ショーギ・エフェンディが計画を推進してきたものであり、これがいま新しい段階に入った。アブドル・ババは山のすそから山の背まで続くいくつものテラスを考えておられ、これを実現に移すべく建築学上の構想を具体化していく最初の段階としてバブの廟の横の主たるテラスの拡張、補強工事が19905月に始まった。1991年の9月には、聖典の研究センターの建築と、国際資料館の増築に着工した。さらにこれに続いて他のアークの他の建物、つまり国際布教センター、そして国際バハイ図書館の建設が予定されている。

 

14. これらの発展はいずれもバハイ共同体が一層前進していくための蓄積された可能性は計り知れないことを明白に示している。国々の内部および国家間の状勢の変化、そして社会を悩ましている多くの問題は、この可能性をますます強くしている。これらの変化から受ける印象では、「小平和」の到来が近いということである。しかし、同時にこれに抵抗していこうとする勢力も再び力をつけてきている。共産主義の砦が崩壊した結果現われた政治的自由という新たな潮流と共に、国家主義の勃興が見られる。また、多くの地域で民族主義が同時に起こってきており、これも地球規模での深刻な問題となってきている。さらにこれに加え、宗教的原理主義の急激な台頭は、寛容の源泉を毒している。テロ行為が頻発している。経済状勢に対する不安感が広がっていることは、地上の物質的管理が根本的なところで混乱に陥っていることを示唆しており、同時にまた政治の分野にも及んでいる挫折感、悲観論を一層増強させる元ともなっている。環境や増大した人口の保健問題が益々悪化している状況は大きな警告である。またこれらの変化をもたらしたもう一つの要因は、情報や思想を世界のある地域から別の地域へ迅速に送ることを可能にした情報伝達技術の驚くべき進歩である。敬愛する師の示された「神聖なる計画」が展開していく次の段階においては、この『同時に進行する勃興と凋落、統合と分裂、秩序と混乱が、常に交互に作用し合って進んでいく』状況を背景に無数の好機が出現するはずである。

 

15. 聖なる年が近づくにつれ、バハオラの啓示の増幅されて行く影響力は、旧い秩序のすたれた構造に吹きつける突風の様相を呈してきた。その突風は頑丈な柱をもなぎ倒し、新しい社会機構の概念を打ち立てるために障害物を一掃しているように見受けられる。統合へ、新しい世界秩序への呼び掛けがあちこちの方向から聞こえてくる。世界の社会の変化は驚くべき速度で進行するのが特徴である。この変化の様相はまさに突発的であり、あるいは急降下ともいえるもので、何か神秘的な、制止しがたいカが働いた結果のように見える。この変化のプラスの面は、これまでになく地球全体としての考えを広がり、国際的、地域的協力へと向かう動き、戦ってきた一団の平和的解決を選択する傾向、精神的な価値観の模索、等となって現われてきている。「最大名」の共同体自身も、速く吹く風の厳しい影響を経験してきている。っまり、我々はすべての思考形態の中の空気を入れ替え、人類の苦難と混乱のあとをたどりながら、バハオラの秩序の目的についての見通しを、新たにし、明白にそしてしっかりしたものにしていくようにしなければならない。

 

16. 世界の状勢は我々にとって早急に対処しなければならない緊急の挑戦となっており、これを見ていくとバハイ時代の2世紀目のバハイの機構の前途についてのショーギ・エフェンディの、地球規模の心躍るようなビジョンを思い出すことができる。今このバハイ時代の2世紀目の中間点に急速に近づきつつあるが、1946年、ショーギ・エフェンディは、『2世紀目に入ると、この「秩序」の世界的発展を促進する勢力が強化され、すばらしい展開を遂げるであろう。同時に、世界秩序の最初の活動も見られるであろう。現在のバハイ行政システムはこの「秩序」の先駆者であり、核であり、模範なのである。この「秩序」はゆっくりと形を整え、その良い影響力は全地球に放射されるであろう。このことは人類の成熟期の到来を告げると共に、この「秩序」の母体であるバハイ信教自体の成熟をも告げるものである』。

 

17. 聖なる年の特別の機会に注目すれば、かならずや神の計画の発展のなかの次の段階で、緊急にやるべき仕事をすぐに始められるように身支度をすることであろう。この記念すべき時期は、過去百年の間に得た勝利と栄誉と、今後獲得されるであろう輝かしい誉れとを分けるにふさわしい節目となろう。まず、はじめに、喜びと感謝の気持ちをもって、このレズワンの12の新しい全国精神行政会の設立に見られるように、運営機構の一層の拡大と強化を手にすることができた。1953年の10年布教計画の開始の時に存在した全国精神行政会の数と、今回新しく設立される全国精神行政会の数が同数であるとは、何と感動的なことであろうか。これこそ40年足らずの間に、運営機構が急速に拡大したことを示す十分な証拠である。この新しい全国精神行政会の数を加えて、これからシッキムがインドの全国精神行政会に吸収されたこと、そして不安定な状勢の為に失ったリベリアの全精会を差し引くと、来年のレズワンに開催される第7回バハイ世界大会には、合計165の全国精神行政会が参加することとなる。

 

18. 六か所の新しい全国大会に以下の大業の翼成者が、万国正義院の代理として出席されることを、お知らせできるのは大変うれしいことである。アマトゥール・バハ・ルヒヤ・カヌーンはブルガリアとポーランドへ、アリ・アクバール・フルタン氏はバルト諸国とハンガリー、アリ・ムハマッド・ヴァルガ博士はグリーンランド、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバ、そしてその他の年次大会には大陸顧問に万国正義院の代理として出席してもらう。ジョージ・アレン氏はコンゴ共和国へ、ファルザム・アルバーブ氏は中央アジアへ、ロルフ・フォンチェクス氏はアンゴラへ、パルビン・ドネイディさんはニジェールへ、ハートマト・グロスマン氏はアルバニアへ、マスード・カムシ氏はアゼルバイジャンへ、それぞれ行かれる。

 

19. 今から数週間するとバハオラの廟の聖なる周辺にて荘厳な目的をもった集いが「国々の望み」の昇天からの百年を記念して開かれる。その前日の528日、敬愛する守護者が指示された通りに、バハオラの騎士の名前が書かれた名誉の巻物が、最も聖なる廟の内なる場所の入口の扉の下に埋められるのである。これは10年布教計画の呼び掛けに応えて、信教の旗を世界中のまだだれもバハイがいなかった所に打ち立てた「祝福された美」を愛する人々のゆるぎない決心を讃えて、歴史的な勝利の象徴として残されるのである。

 

20. その後、11月には第2回バハイ世界会議にてバハの人々がニューヨークに何万と集い、世界中の同胞の代わりに、バハオラが遺贈された聖約を尊重し、聖約の中心に任命され、この都市を「聖約の都市」と名付けた師を思い出すという、象徴的な行動をとることになる。出席者たちは、世界のすべての人々の和合を保障し得る聖約の力をそこで示すであろう。これはバハイ共同体にとって世界中の注目を集めるという点でももっとも重要な時である。

 

21. これらの二つの国際的な行事を中心として、世界中のあらゆる場所でバハイが同様な計画をすることになる。行事への参加にあたっては、精神的な面や尊厳をもった行動をとるようにすれば、天上の住人の確証を引出し、全地球上に働く創造的な力に大きな影響を与えることは確実である。

 

22. 長いあいだにわたって我々が望んできた、もう一つの恵みの源が明らかにされる。バハオラは『牢獄の中で我は「最も聖なる書」という名の書を啓示した。我はその書に法を定め、天上、地上のすべてのものに君臨する汝らの主の掟をもってその書を飾った』と書かれている。この一年の間に「ケタベ・アグダスの書」の注釈付きの英語版が出版されることをここで発表するが、この世界をゆるがすような重要性について十分に認識しなければならない。この書は将来の世界文明の憲章であり、ちょうど120年前バハオラがアッカのウディ・カンマールの家で啓示されたものである。

 

23. 予定される二つの大きな記念行事と、バハイの啓示の母なる書が間もなく出版されることは熱心な期待を呼び起こしているが、その中でホゴコラの法が効力を発し、これが全世界の共同体のメンバーが常に行うことの中に加えられる。約束されている神の恵みが、この聖なる法の実効と共に、すべての地において主に愛される者達の上に注がれますよう。

 

24. このような聖なる重要な出来事によって満たされる一年は、その結果としてかならずや想像を絶する程の可能性を生みだすはずである。しかし、すぐに結果として何がでてくるか予測することは不可能であり、またその結果について推測することは無駄である。推測に耽けるよりか、我々はこの年に記念すべき事として特別に扱う崇高な機会の真の意味に考えを向けるべきである。聖なる年の目的は、たとえそれにふさわしいものであっても、広く一般向けの記念行事だけでは達成されないのである。本来の目的はすべてのバハイ個人の側が心の内部で熟考する機会をもつことである。もちろん、これは魂が光と導きの源と一緒に会える特別な時であり、バハオラへ顔を向け、彼への忠誠心を再度新たにするときである。自己の存在の最も深い所、バハの精神が宿っている所、で静かに修養する時である。この内なる場所について、バハオラは次の様に述べ、われわれに呼びかけているのである。『汝の眼を汝自らに向けよ。されば汝、汝のうちに威光に輝き力強く自存しつつあるわれを見出さん』。これは聖約を再び守る時であり、義務に対して再び献身的にあたるときであり、『すべての行動の中で最も価値ある行動』である布教への力を再び活気づける時でもある。

 

25. 自分が熟慮し行動する際にまず助けとなることは、彼のつぎのような言葉の洞察力と鼓舞する力をかならず身につけることである。つまり、『われは叡智の太陽であり、知識の大洋である。弱った人を慰め息絶えた人をよみがえらすのである。そして道を照らす先導の光である』。『わが命にかけて言う。われが自身を啓示したのは、われ自身の意志ではなく、神がご自身で選択されわれを顕示させたのである』。『われは栄光の雲のかげに現れ、だれも侵すことのできない主権を神から授けられた』『われを失う者はすべてを失う。この地上のすべてのものから離れ、われ以外の何ものも求めるな』『われを愛せよ。さらばわれ汝を愛し得ん。もし汝、われを愛さずば、わが愛は決して汝に達するを得ず。これを知れ、おお僕よ』。『古来の美が鎖で縛られることに同意したのは、人類がその束縛から放たれる様にするためであり、この最も強力なとりで内に囚人とされることを甘受したのは全世界が真の自由に達する様にするためであった。地上のあらゆる人々が永続する喜びを得、喜悦で満たされる様にと、彼は悲哀の杯を飲みつくした』。

 

26. 我々がなすべきことについて個人的に熟考し、または応えた結果、何をしようとしたとしても、確実にやりとげなければならない事がある。つまり、「世界の生命を与える者」の名前を地球上の身分の高い、低いにかかわらずすべての人に知らせるということである。すでに「祝福された美」が昇天してからまる一世紀が経過しており、身を打ち砕くような病が世界中の人々の上にのしかかり、何らかの救いを渇望する人々の心から、これまでに増してまぎれもない苦悩の叫びが上がってきているのをみれば、バハオラの僕を自認する我々はまず第一に重要なそして緊急を要する義務を果たすのをためらったり、失敗することはできないはずである。彼、バハオラこそ「最高の顕示者であり、「人類すべてを統合し救う者」「正義の源泉」であり、不滅の「敬愛される者」であり彼自身のけして誤ることのない宣言によれば『何物にも束縛されない方が、光の雲の中に彼の「名」から「最も慈悲ふかき者」というそよ風によってすべての創造物をよみがえらせ、世界を統合し、天より下されたこの「テーブル」の周囲にすべての人々を集わせるために現われたのである』。尊厳をもって「彼の名」を聞くべき人の所へもって行こう、それを手にすべき人に宝物のように差しだそう、それを受け入れるべき人に愛をもって語りかけようではないか。

 

27. もし我々一人一人が、バハオラの名前を広く知らしめたいという熱意で満たされ「アブハの美」への特別の愛を身をもって示す者として、各人が自分自身の布教キャンペーンを展開できるならば、これは何とすばらしいことか。世界中に展開されるこれら個人の布教キャンペーンの威力と成果が一つに結集されるならば、それはこの聖なる年に行なわれる神聖な行事に大きな反響をもたらし、まもなく1993年のレズワンに始まろうとしている3年計画への船出の場を用意することにもなるのである。

 

28. 最後に今のこの時は、バハオラが遺訓として我々に残してくれた「最も聖なる書」の中で、バハオラの逝去にたいして我々がどのように対応したらよいかの記述を思い出すのに大変ふさわしい時である。バハオラは次のように書かれている。『おお世の人々よ。我が美の昼の星が沈み、我が幕屋の天界が汝等の目から隠される時、落胆してはならない。我が大業を促進し、我が言葉を人々の間に高めるために立ち上がれ。我は常に汝と共にあり、真理の力で汝を強めるであろう。我は真に全能である。我を認めるものは皆、天と地のいかなる勢力もその行く手を阻むことのできないほどの強い決意をもって立ち上がり、我に仕えるであろう』。

 

29. 親愛なる友よ、我々は「聖なる入□」で「祝福された美」が身を隠された不滅の栄光の場所から、一人一人すべての魂に天の力による息吹を吹き込んで、再びよみがえらせて下さるよう、嘆願することをけして忘れることはない。

 

(署名)

万国正義院