「聖なる水夫の書簡」を学習せよ。それによって真理を悟り、
未来の出来事が、祝福された美によって予告されていたことを知れ。
理解できる者は、これを警告とせよ。 アブドル・バハ
彼こそは慈悲深き御方、最愛なる御方なり。
おお聖なる水夫よ。
汝の永遠の箱船が天の群集の前に現れるよう、命じ、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
最も素晴らしき御方、彼の御名において、古来の海に船出せよ。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
そして、最も高遠なる御方、神の御名において、天使のような者らを乗り込ませ、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
それから、栄光の海へと出航するため、とも綱を解け。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
その中に住む者らが、永遠なる領土にある近接の隠れ家に達することができるように、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
深紅の海の岸辺、神聖なる岸辺に達したなら、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
彼らに下船を命じ、目に見えぬこの天空の地位に向かわせよ。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
その地位とは、主が、彼の美の炎に包まれて、不死の樹上に出現されたところであり、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
そこでは、彼の大業の具現者らが、自我と情欲から身を清め、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
その周りには、モーゼの栄光が永遠の軍勢と共に回り、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
それは、神の御手が彼の壮大の胸元から引き出された場所である。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
大業の箱船は、その船の住人たちに聖なる属性のすべてが宣言された後も、そこに静止したまま留まる。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
おお水夫よ。神秘のヴェールの後ろで、我が汝に教えたことを、箱船の中にいる者らに教えよ。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
彼らが雪のように純白な聖なる地点に留まることなく、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
精神の翼に乗り、主が下界のあらゆる叙述を超えて高められた地位へと舞い上がって行き、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
あたかも、永遠なる再会の領土で寵愛を受けた鳥たちのように、空間を飛んでいくことができるように、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
諸々の光の海に隠された神秘を熟知できるように。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
彼らは、世俗的制限の段階を通過し、天の導きの中心である聖なる和合の段階へ達した。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
彼らは、主が彼らの地位よりも上に定め給うた状態へ舞い上がることを欲した。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
その時、燃え盛る流星が、彼らを主の御前の王国に住む者らの中から追放し、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
そして彼らは、栄光の高みにある、不可視の大天幕の後ろから上がる壮麗なる声を聞いた、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「おお守護天使たちよ。彼らを、下界にある彼らの住まいに戻すがよい」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「何となれば、 彼らは、 天来の鳩の翼も決して達したことのない領域に昇って行こうとしたがために」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「幻想の船は最早そこで停止し、理解力ある者らの思考もこのことを把握し得ない」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
すると、天の乙女がその崇高なる部屋から顔を出して、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
天なる群衆に目で合図して、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
その顔の光で天と地を満たし、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
彼女の美の輝きが塵の人々の上に輝くと、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
全存在物が彼らの必滅の墓の中で揺り起こされた。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
次に彼女は、永遠の古より誰も耳にしたことがない呼び声を上げ、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
こう告げた。 「主にかけて誓う。崇高にして栄光あるアラビアの若者の愛の芳香が心にない者は」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「決して、最高の天の栄光に昇っていくことはできない」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
それから彼女は、侍女の中からひとりを呼び出し、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
こう彼女に命じた。「永遠の館から空間へと降り、 」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「彼らがその心の最も奥底に隠しているものへ向かえ」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「もし、邪悪なる者らの手がなしたことで、光の幕屋の中に隠された若者の衣の香りを嗅いだなら」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「永遠の富の具現者たちである、楽園の部屋の住人たちみなが理解し、注意をむけるよう、汝自身の内で叫びを上げよ」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「彼らみなが、永遠の部屋から降りてきて、身を震わせ、 」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「忠誠の高みに舞い上がったという理由で彼らの手と足に接吻し、
」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「彼らの衣から最愛なる御方の芳香を発見しようとするように」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
すると、 選ばれた乙女の顔は、 天界の諸々の部屋の上で輝いた。あたかも、若者の顔より放射され、彼の肉体の上に輝く光のように、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
すると彼女は、天上とそこにあるすべてを明るく照らすほどの飾りをもって降りていった。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
彼女は奮起して、神聖と壮大の地にあるすべての物を香りで満たした。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
その地に達した時、彼女は、創造界の中心に進み、身を高く起こした。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
そして初めも終わりも知らない時点に立って、彼らの芳香を探し求めた。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
彼女は、彼らのなかに、彼女が求めたものを見出せなかった。これはまことに、彼の不思議な物語のひとつでしかない。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
そこで彼女は大声で叫び、むせび泣いて、自身の最も高きにある館の、自身の地位へと戻っていった、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
そして、彼女の甘く響く口調で神秘の言葉をひとつ囁き、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
天の群集と不滅なる天の乙女らの間で、叫びを上げた、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「主にかけて誓う。私は、これらの空虚な主張者らから、誠実の微風を見いだせなかった。 」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
「主にかけて誓う。この若者は、流刑の地で不信心な者らの手中にあり、ただひとり見捨てられている」
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
それから彼女は、自身の内で、天の群集が悲鳴を上げ、身震いするほどの叫びを上げた、
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
そして彼女は塵の上に倒れ、息絶えた。あたかも彼女は、天上の領土へ彼女を召還する御方の呼び声に答えたかのようであった。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
崇高なる彼の楽園の中心で、愛の真髄から彼女を創造された御方に栄光あれ。
栄光に満ち給うわが主に栄光あれ。
すると天の乙女らは自分たちの部屋から急ぎ出てきた。最も高きにある楽園の住人たちの誰も、その乙女たちの顔を見たことはなかった。
最も高遠なる我らの主に栄光あれ。
乙女たちはみな、彼女の周りに集まったが、見よ。乙女たちは塵の上に倒れている彼女を見いだした。
最も高遠なる我らの主に栄光あれ。
乙女たちが彼女の状態を凝視し、若者が語った物語の一言を理解したとき、彼女らは頭の覆いをはぎ取り、衣を引きちぎり、自分たちの顔を打ち、喜びを忘れ、涙を流し、手で頬を強打したのである。これは、まことに、神秘に包まれた苛酷な苦難のひとつである。
最も高遠なる我らの主に栄光あれ。 バハオラ