後記
バハオラの著された数多くの聖なる書物の中でも、特に重要なものの一つである本書を、ようやくここにお届けできることとなりました。本書の完成に到った陰には、翻訳に当られた水野育雄博士の並々ならぬ御尽力はもとより、ザファル・モグベル氏の御援助や、常にこの作業の進展を激励下さいました多くのバハイ諸氏の援助も忘れてはならないものです。殊に、水野氏のお力なくしては本書の完成は見られない程です。氏はこの邦訳を、外科医としての御多忙な生活の合間を見ては続けられ、今はアブハの王国の人となられました通子夫人もこの完成の早からんことを切望しておられたとのことでございます。ここに、水野氏に対し心からの感謝の意を表すと共に、この完成のためにお力添え下さいました諸氏に重ねて御礼の意を述べさせて戴きます。
バハイ暦一三四年・六月
日本バハイ全国精神行政
本文に出てくる記号について
(…) 英語版中に脚注として載せられているものを文、又は語のすぐ後にもってきたものが殆どであるが、極く一部は、英語版にもこのようにしてでているものである。
〔…〕日本語翻訳の際、訳者が解読し易くするために入れたもの。
言葉右肩に付されている算用数字(例、1バヤン)
…本文末尾に説明あり、数字にあわせて調べることができる。
語彙集
1.バヤン バブの著された経典の題名。ペルシャ語とアラビヤ語の二冊のバヤンがあるが、ペルシャ語の方が長く、その内容もより重みをおびたものであり、バブの教義を納めた主要な書物とされている。
2.顕示者 神の御言葉を顕示する者。「神の使者」または「神の予言者」とも呼ばれる。
バハオラは顕示者について次のように述べておられる。「唯一真実の神を、その創造物に結びつける繋がりや直接の交りはありえない。また、永遠なる絶対者と、はかない従属者の間にはなんらの類似点も存在しえない。故に、神は各時代、各時節において清廉潔な人物が地上天上の御国に出現する率を定め給うた。これら世俗超脱の精髄であり、輝かしい其、実である者達は、総てに行き渡る神の恩寵の水路である。確かな指導の御光に導かれ、最上の仁権を授かった彼等は、彼らの言葉が持つ霊感と、そそぎ出る彼らの誤りのない恩寵と、復らの啓示の神聖な微風とをもって、地上の煩労や限界から来る不用物や不純物を、慕心と感安性を備えた総ての魂から取り除く任務を帯びている心
3.フード 古代、アド族に遣された神の使者。ノアの子孫とされている。コーラン、第七、十一、二六の各章を参照。,
4.書簡 神からの啓示を書き納めた聖なる書物のこと。
5.ノア 古代における神の使者。聖書とコーランに登場するが、いずれの経典にも地球上を浸した洪水と、ノアの作った箱舟の事が語られている。回教ではノアは「神の予言者」として知られている。旧約聖書、創造記第六章及び、コーラン、第十一と七一章を参照。
6伝承 回教の経典。マホメッドの啓示したコーラン以外に、回教ではマホメッドの生涯や彼の語った事を記録した多くの資料が残されている。それらの中で、その信憑性が確証されたものを総合して「伝承」と呼び、これが回教の経典の一部を成している。
7.レズワン 楽園の意。本来、楽園の管理人の名前として知られているが、ここでは楽園そのものを指す。ケタベ・イガンが著された翌年、バグダッド郊外の庭園でバハオラは初めて御自身の使命を公に宣言されたが、以後その庭園は「レズワンの園」と呼ばれている。またバハイ、最も重要な祝祭であるこの宣言を祝う四月二一日からの十二日間も「レズワンの祝祭」と呼ばれるようになった。
8.サーリフ 古代、アラビヤの諸民族に遣わされた神の使者。サーリフについてはコーランの第七章に述べられているが、旧約聖書、創造記の第二章に登場する「シラ」と同一人物であると言う説がある。
9.サムード 古代ハム民族の一部族。ハム民族はアフリカ北部に住み、サムード人はシナイ半島のほら穴を住居としていたが、エドム族との戦いで殆ど全滅した。
10.アブラハム 紀元前二一〇〇年の神の使者。ユダヤ教、キリスト教、そして回教は、いずれも共通してアブラハムを「神の友」、または「信心深き人々の父」として敬う。旧約聖書、創造記第十一から二五章までを参照。
11.モーゼ ユダヤ教の立法者。紀元前一四四〇年、モーゼは奴隷として使われていたユダヤの民をエジプトから救出し、パレスチナの地に導き、途中シナイ山において十戒を示した。
回教ではモーゼを、六人の、神の偉大な使者達の一人に数えている。旧約聖書、出エジプト記を参照。
12.パラン山 シナイ半島にある山脈。パラン山の南にはシナイ山があり、その北にはセイル地方が広がっている。いずれも神の啓示が下された聖地として知られている。モーゼが、後に現われる神の顕示者について語った時、イエス・キリストの出現をセイル、マホメッドの出現をパランの地に結び付けて次のように述べている。「神の人、モーゼは死ぬ前に、イスラエルの人々を祝福した。祝福の言葉は次のとおりである。『主はシナイからこられ、セイルから我々に向かってのぼられ、パランの山から光を放たれ、ちょろずの聖者の中からこられた。その右の手には燃える火があった』」(旧約聖書、申命記第33章。)旧約聖書、創造記の第二一章によると、アラブ種族の始祖とされるイシマエルはパランに行き、そこで一族を興した。顕示者マホメッドはこの一族の子孫であるから、マホメッドとパランとの結び付きが解る。さらに、セイルがキリスト生誕の地に近いところから、「主はセイルからのぼる」と語った時、モーゼはキリストを指していた事が分かる。つまりシナイはモーゼ自身の啓示を象徴し、セイルはキリスト・またパランはマホメッドの啓示を象徴している。最後の行にある「燃える火」は神の律法を意味し、これはバハオラの啓示を指している。
13.シナイ山 モーゼが神の啓示を授った山。モーゼの十戒はここで示された。コーラン、第七章及び、旧約聖書、出エジプト記第十九章を参照。
14.ファラオ 古代エジプトの王の敬称。
15.コプト人 古代エジプトの部族。モーゼの時代、コプト人は教えを受け入れず、不信仰者として知られていた。
16.セプト人 古代ユダヤの種族。コプト人とは対照的に、神の教えを受け入れた人々であった。
17.ヘジャズ アラビヤ半島の南西部にある地方。回教の聖都であるメッカとメディナはいずれもヘジャズ地方に位置している。更に、マホメッドの生涯と深い関わりのある地方として回教の聖地と言える。バハオラの言われる「ヘジャズ地方の美しい口調の言葉」とはアラビヤ語の事である。
18.イラク 中近東の国。ケタベ・イガンが著わされた1862年当時には、イラクはトルコ帝国の一部であった。
19.楽園 天国の庭園。楽園とは至福の状態を意味し、「神の愛」は楽園そのものであるとされている。バハオラは顕示者を「楽園の小夜鳥」、また顕示者がもたらす啓示を「楽園の木の葉が風に吹かれてさらさらと鳴る音」に、なぞられておられる。
20.コーラン 回教の経典。マホメッドが二一年の歳月の間に啓示されたもので、一一四の章に分けられている。
21.マホメッド 回教の創始者、西暦五七〇年に生まれ、六一三年に自分が神の顕示者である事を宣言した。「質疑応答集」、十五から二十四ページを参照。
22.バグダッド 回教文明の主要都市。西暦七六二年にアッバス朝の首都としてティグリス川西岸に築かれ、文化の中心地として栄えた。バハオラはこの地に約十年間滞在された。この間、ケタベ・イガンをはじめ、いくつかの書物を著わされ、一八六三年この地を去られる直前に御自身の使命を宣言された。以後この地はバハイの聖地の一つに数えられている。
23.コウサル 楽園に流れる川。回教の教えによると、総てのものはこの川にその源を発する。死者の霊は地獄に掛かる恐ろしい橋を渡らなければならないが、信心深い者の樗はこの橋を渡り終えてから大きな湖に辿り着き、そこで休息するとされている。コウサルに流れる水の一部はこの湖に流れ着く。
24サドラトル・モンタハ アラビヤ語で「限界点に立つ樹木」の意味。古代アラビヤでは、道の終わりに木を植え、それを道しるべとした。バハオラは、顕示者を象徴する言葉として用いられている。
25.オルワトル・ウォスガ アラビヤ語で「最強の取手」の意味。
この言葉は神の信教を象徴して用いられる。
26.イマム・アリ マホメッドの第一の弟子で初代の後継者。「イマム」とは、十二代続いたマホメッドの後継者の称号で、「アリ」は初代のイマムの名前である。バブは、イマム・アリの直系である。
27.ゲブレー 祈る時に向く方角。コーランの第二章の中で、回教ではこれをメッヵの方角と定めている。
28.メッカ マホメッド生誕の地で、回教の最も重要な聖都。アラビヤ半島南西部のヘジャズ地方にあり、カーべーのある所である。
29.ヤスレブ メディナの街の旧名。コーランの中で「メディナ・トン・ナビ」、すなわち「予言者の街」と呼ばれ、後にこれが「メディナ」と省略された。メッカに次ぐ回教の聖都である。
30.ガブリエル 天使達の中で最高位にある天使の名。神の御言葉を書き取る任務を持ち、コーランはこの天使の仲介によってマホメッドに啓示されたとされている。聖霊を象徴する。
31.力ーベー 回教の聖都、メッカにある神殿の中心に立つ方形の建物。この中には「黒い聖石」が安置されている。巡礼者はそのまわりを巡行する。
32.エムラン モーゼの父。コーラン、第三章及び、旧約聖書、出エジプト記第六章か参照。旧約聖書では「アムラム」となっている。
33ショエブ モーゼの義理の父。殺人を犯したために、エジプトを逃がれてミディアンの地に避難してきた若き日のモーゼを救けたこの地の可祭。後にモーゼはこの司祭の娘を娶った。旧約聖書、出エジプト第二章及び、コーラン第六章を参照。旧約聖書では「エトロ」となっている。
34.ミディアン シナイ半島の紅海沿岸にある地方。モーゼはエジプトを逃れ二時期この地方に住んだ。
35.サルサビル 楽園に湧く泉。
36.シバ アラビヤ南部の街。この語は、住処を象徴して用いられる。
37.大海獣 旧約聖書に登場する正体不明の海の怪物。旧約聖書、ヨブ記第四一章及び、詩篇第一〇四章を参照。
38.不死鳥 エジプト神話の鳥何百年に一度、焼死し一旦灰となってから灰の中から再び現われるとされている。
39.ニムロツト ノアの子孫。回教では、アブラハムの迫害者とされている。
40.東方の博士 古代ペルシャの司祭のこと。
41.ヘロデ王 古代ユダヤの王、ヘロデ一世、またはヘロデ大王とも呼ばれる。紀元前四〇年、ローマの元老院によってユダヤの王に任命され、エルサレムの神殿を再堆した。新約聖書では幼児のキリストを殺害しようとした悪王として知られている。
42.ヤーヤ キリストの先駆者。新約聖書の「洗礼者ヨハネ」の事。ヘロデ王の息子の命令によって処刑された。
43.ルーズ・べー 初期の回教徒。始めキリスト教徒であったが、神の使者がアラビヤに出現する事を聞いてアラビヤに行き、そこでメディナに逃れる途中のマホメッドに会い、マホメッドを認め信者となった。
44.アーマド シェイク・アーマド・アーサーイの事。十八世紀から十九世紀にかけて生きた回教の神学者。ガエム(回教の「約束された者」)の出現が間近かであることを悟り、そのことを広く説き、シェイキ学派を築いた。彼自身はバブの出現を待たずに一八三四年に死んだが、「生ける者の文字」と呼ばれたバブの最初の十八人の弟子達の中にはシェイキ学派と深いかかわりあいを持った者が幾人かいた。「最初の炎」、十五から二〇ぺージを参照。
45.カゼム セイェド・カゼム・ラシュティのこと。師であったシェイク・アーマド・アーサーイと共に、バブの出現を予知したバブの先駆者であった。バブの宣言の半年前に世を去ったが、彼の弟子、モラ・ホセインはバブを認める最初の者となった。「最初の炎」十七から二五ぺージを参照。
46.紅の柱 バハォラのもたらされた宗教を意味する。この宗教は、殉教者達の血で赤く染ったということをこの言葉は強調している。
47.バハ アラビヤ語で「栄光」の意味。バハオラを指す。バハガラは宣言をされる以前から「バハ」の名称で知られていた。
48.智天使 天使の一階級。旧約聖書では天使とは神の使であるが、この天値は使いではなく神の御側に居るとされている。
49.シーア派 回教の一宗派。回教はマホメッドの死後、後継者の問題でシーア派とソンニー派に分裂した。シーア派はマホメッドの婿であったアリと、十二代続いた彼の直系を「イマム」と呼んでマホメッドの正当な後継者とした。イマムは卓越した知恵と権威を神から授かり、精神的な指導を施すとされていた。一方ソンニー派は、マホメッドの後継者は・信者達の合意によって選出されるべきであるとした。その首席は「カリフと呼ばれ、政治の実権をも握っていた。
50.賢者の石 想像上の物質。昔の錬金術師は地金を純金に変える物質を捜し求めていたが、それを「賢者の石」と呼んだ。
51.ガエム 回教の約束された者。バブは御自分がガエムであると宣言なされた。
52.エブンエ・スーリヤ マホメッドと同時代のユダヤ教の聖職者の名前。.
53.カイバル インド北西部の国境にある山岳地帯。
54.モーゼの五書 旧約聖書の最初の五書、即ち、創造記、出エジプト記、レビ記、民数記及び申命記の事。
55.マナ 昔ユダヤ人がアラビヤの荒野で神から恵まれた食物。旧約聖書出エジプト記第十六章を参照。
56.ネブカドネザル 古代バピロニアの王。紀元前六世紀にエルサレムを攻め取り、街を破壊しその住民の大半をバピロニアに連れ帰った。
57.アマレキ人 古代アラビヤ バビロニニアを追われ、アラビヤの各地に散らばって住みついた。中にはエジプトに辿り着き、エジプトの王位についた片もいた。
58.アブドーラー工・オベイ マホメッドの執拗な反対者で「偽善者達の帝王」と呼ばれた。
59.アブーアメルとナズル・エブンエ・ハレス 両者ともマホメッドの反対者。
60.カーブ・エブンエ・アシュラフ マホメッドの最大の敵であったアブーソーヤンと共謀してマホメッドの殺害を企てた。
61.クーフェー 古代メソポタミヤの街。ユーフラテス川西岸にあったが、現在ではその跡も残っていない。
62.セラト アラビヤ語で橋の意。神の宗教をさす。
63.アブー・ヂャール マホメッドの執拗な敵の一人。回教徒は彼を「アブー・ヂャール」、即ち「愚かさの父」と名付けた。
64.タフ カルベラの街があるイラク中部の地方。イマム・ホセインはここで殉教した。
65。カルベラ ユーフラテス河畔にあるイラク中部の街。
66.カヤパ キリストと同時代のユダヤ教の高僧。キリストの死刑を判決した法廷の裁判官であった。新約聖書、マタイ伝第二六章を参照。
67.スーフィー教 回教の一宗派。禁欲を強調する神秘主義派である。
68.アベルとカイン アダムとイブの二人の息子。旧約聖書、創造記第四章及び、コーラン、第五章を参照。
69.神の霊薬 人の心を改めさせるもの。「霊薬」とは、地金を純金に変える錬金術師の錬金薬液になぞらえた言葉である。
70.バブ 神の顕示者。西暦一八一九年に生まれ、一八四四年に自らの使命を宣言し、一八五〇年に処刑された。彼は回教徒が待ち望む「ガエム」であり、バハオラの先駆者である。「バハオラの新時代」第二章を参照。
71.ファテメ マホメッドの娘。マホメッドの後継者となったアリと結婚し、二人の息子を設けた。息子達はいずれもイマムの地位につき、いずれも殉教した。彼等の直系は「セイェド」の称号を与えられ、バブもその子孫で、本名をセイェド・アリ・モハメッドと言った。
72.アブドラ マホメッドの父。
73.ハジ・ミルザ・カリム・カーン バハォラと同時代の街学者。現在ではこの人物や彼の著書「無知なるものへの手引」は完全に忘れられている。
74.メーラジュ マホメッドが天使・ガブリエルと共にした夜間の旅の事。
75.サメレ モーゼと同時代、エジプト王に仕えた魔術師。ユダヤの民をエジプトから救出する際、モーゼは奴隷の釈放を拒むエジプト王を説得するために、幾つかの奇跡を行なった。
答えてエジプト王は魔術師を呼び、同じ奇跡をやらせ、モーゼに対抗した。旧約聖書、出エジプト記第七章を参照。
76.アリフ・ラム・ミム コーランの幾つかの章の冒頭にある関連性のないアラビヤ文字。「アリフ・ラム・ミム」以外にも幾つかの組合せがある。
77.ヨセフ 旧約聖書やコーランに登場する人物。コーランでは、ヨセフは神の予言者とされている。旧約聖書、創造記第三〇章及び、コーラン、第四〇章を参照。
78.モラ・ホセイン バブの最初の信者。西暦一八一三年に生れ、セイェド・カゼムの弟子となり師の死後、回教の「約束された者」を捜しに出た旅でバブに会った。「生ける者の文字」と呼ばれたバブの十八人の弟子の一人となり、一八四九年に殉教した。「モラ」とは回教の神学者に与えられる称号である。「最初の炎」、二四から三九ぺージを参照。
79.セイェド・ヤーヤ バブの卓越した信徒。当時のイランの有数の神学者で、王室の代表としてバブを取調べた際、バブを認め信者となった。後にイラン南部のネイリズの虐殺で殉教した。「最初の炎」、七五から八六ぺージを参照。
80.モラ・モハメッド・アリエ・ザンジャンイ 「ホッジャト」と呼ばれたバブのすぐれた信徒。ザンジャンの大虐殺で一八○○人の信者と共に殉教した。「最初の炎」、六六から七四ぺージを参照。
81.モラ.アリエ.バスターミ 「生ける者の文字」の一人で、バブの信徒達の中の最初
の殉教者となった。
82.モラ・ネーマトウッラエ・マーザンダラーニ バブの信徒で、モラ・ホセインなどと共にタバラシの砦で殉教した。
83.モラ・ユーソフェ・アルデビリ 「生ける者の文字」の一人で、タバラシの砦で殉教した。
84.モラ・メーディイェ・コーイ バハォラの親しい同僚で、タバラシの砦で殉教した。
85.セイェド・ホセインエ・トルシジ 回教の神学博士からバブの信者となった有名な「テヘランの七人の殉教者」の一人。
86.モラ・バゲル バブの信徒で、タバラシの砦で殉教した。
87.モラ・アブドゥル・カレグェ・ヤズディ ユダヤ教から改宗したバブの信佐。本来、ユダヤ教の司祭であったが、珂教に改宗しシェイキ学派に加わり、後にモラ・ホセインの布教によりバブを認めた。
88.モラ・アリエ・パラガニ シェイキ学派から改宗したバブの信徒。シェイキ学派の最も有名な学者の1人であったが、バブの教えを認めその布教に専念した。
89.モスタガス アラビヤ語で「懇願の的」の意味。バハオラを指す。
90.ガューモーウル・アスマ バブの著わされた経典の題名。この書物は「ヨセフの章」と呼ばれるコーランの第十二章の解説であり、その最初の章はバブが宣言の際、「約束された者」である事の証としてモラ・ホセインの疑問に答えて書かれた事である。
91.ハー アラビヤ語の一文字。
92.シラズ イラン南部の街。一八四四年に、初めてバブが御自身の使命を宣言なされた場所であり、彼の生誕地でもある。
93.アブ・アブデーラ 回教シーア派の第六代イマムであったジャーファルエ・サデグの名称。西暦七六五年にアバッス朝のヵリフの手によって毒殺された。
94.カリフ アラビヤ語で「後継者」の意味。回教ソンニー派が正当とみなすマホメッドの後継者の称号。十六世紀に入ってからは、トルコ皇帝がこの称号を名乗った。
95.モファザッル 回教シーア派の伝承に登場するイマム、サデグ(第十六代イマム)と同時代の人物。