アブドル・バハの祈り

（１）

彼こそは神におわします。

おお、汝(なんじ)、天上の集合がその周りを巡(めぐ)る地点に憧(あこが)れて周回する者よ。唯一真実なる神の御敷居(しきい)において、感謝の両手を挙(あ)げてこう述べよ。おお、熱烈な愛に燃えるすべての者の最高の念願の的(まと)におわす御方よ。おお、すべての迷える魂(たましい)を導き給う御方よ。あなたは限りなき恩恵(おんけい)をもってこの弱き僕(しもべ)を引き立て給い、この哀(あわ)れで卑(いや)しい者をあなたの一体性の御敷居(しきい)に導き給いました。あなたはこの渇(かわ)きにあえぐ唇(くちびる)に、慈愛(じあい)にあふれるあなたの生命の水を差(さ)し伸(の)べ、この枯(か)れて憔悴(しょうすい)しきった魂を、神聖なる慈悲(じひ)の微風でよみがえらせ給いました。恩寵(おんちょう)あふれる御恵(めぐ)みより十分な分け前を授け、聖なる御敷居(しきい)（*）に達する栄誉を付与し給うたことに感謝を捧げます。私は、高きにあるあなたの御国の恩恵の限りなき分け前を懇願(こんがん)いたします。あなたの援助を授け給え。ご恩寵に満ちた御恵みを付与し給え。

＊バハオラの廟

（２）

おお、見えざる友におわす御方よ。おお、この世と来るべき世のすべての者の希望におわす御方よ。おお、憐(あわ)れみ深き最愛なる御方よ。これらの無力なる魂(たましい)はあなたのご愛情の虜(とりこ)であり、これらの弱き者らはあなたの御敷居(しきい)に庇護(ひご)を求める者であります。彼らは、毎夜、あなたから遠く離れているが故(ゆえ)にため息をつき、うめき声を上げ、毎朝、悪意に満ちた者らの猛攻(もうこう)ゆえに嘆き悲しみ、涙しております。新たな苦悩(くのう)が絶えず彼らを襲(おそ)い、すべての邪悪な圧制者の暴虐(ぼうぎゃく)により、一息ごとにひどく苦しめられております。にも関わらず、彼らは炎(ほのお)の殿堂(でんどう)のごとく燃え盛り、太陽や月のごとく光り輝いております。それゆえ、あなたに賛美を捧げます。彼らは神の大業において高く掲(かか)げられた旗印(はたじるし)のように堂々と立ち、勇敢な騎士(きし)のように活躍の舞台に急ぎます。彼らは甘美(かんび)な花のように咲きほこり、微笑(ほほえ)む薔薇(ばら)のように喜びに満ちています。したがって、おお、愛情あふれる扶養者よ、あなたの御国より授かる天上の恩寵(おんちょう)でこれらの聖なる魂たちを恩寵深く助け給え。そして、これらの清き人々が、至上なる御方の徴(しるし)を、身をもってあらわすことを許し給え。あなたは恩恵に満ち、憐(あわ)れみ深く、全てに慈悲を垂(た)れ給い、ご慈愛深き御方におわします。

（３）

おお、愛情あふれる比類なき主(しゅ)よ。私どもは能力と価値に乏(とぼ)しく、試練に耐えることは極めて困難ですが、価値と能力はあなたが授け給う賜物(たまもの)であります。おお主よ、私どもが最高の確固不動さを示し、この世とそのすべての人々との縁(えん)を断(た)ち、あなたの愛の火を灯(とも)し、ロウソクのようにその身を焦(こ)がす炎(ほのお)で明るく燃え、輝きを広く放射する能力を付与し、価値ある者となし給え。

おお、王国の主よ。私どもをこの空(むな)しい幻想の世界より救い、無限の領土に導き給え。私どもがこの世俗的な生より完全に解放され、王国の恵み深い賜物(たまもの)で祝福されるようなし給え。実在の幻(まぼろし)に過ぎないこの無の世界から私どもを解き放ち、永遠の生命を授け給え。私どもに歓喜(かんき)と喜悦(きえつ)を与え、喜びと満足を付与し給え。あなたの御国に昇る時、あなたの御前に到達し、天上の領土に歓喜することができるよう、私どもの心を慰(なぐさ)め、魂(たましい)に平和と平安を授け給え。あなたは与え給う御方、授け給う御方、全能なる御方におわします。

　　

（４）

おお、わが永遠に最愛なる御方よ、わが敬愛する友よ。私はあなたの御前に進む機会をいつまで奪われ、あなたから遠く離れていることでいつまで苦悩(くのう)しなければならないのでしょうか。私をあなたの天上の王国の安息所(あんそくじょ)に導き、あなたの崇高なる領土が現われる場においてあなたの慈愛(じあい)の眼(まな)差(ざ)しを向け給え。

おお、全能なる主(しゅ)よ。私を王国の住民の一人に数え給え。この死すべき世に住む私のために、「場所なき」領域に住処(すみか)を与え給え。この俗界(ぞっかい)に属する私に、あなたの栄光に満ちた光の輝きを当て給え。この塵(ちり)の世に生きる私が、あなたの道に命を捧げ、自らの心の望みに達し、神のご愛顧(あいこ)の王冠(おうかん)を頭に飾り、「おお、最大なる栄光に満ちた神の栄光よ」と、勝利の叫(さけ)びを上げることができるよう、天上の領土の住人となし給え。

（５）

おお、親切なる主(しゅ)よ。ここに集(つど)う者はあなたの友であり、あなたの愛に魅(み)せられた魂(たましい)たちであります。彼らはあなたの美(び)の光線に夢中になり、甘い芳香を放つあなたの御髪(おぐし)の虜(とりこ)となった者らであります。彼らはあなたに心を明け渡し、卑(いや)しく無力なままあなたの道をさまよっております。彼らは友も、また見知らぬ者も捨て、ただあなたの一体性のみにしっかりとすがり、あなたの前に崇拝の頭(こうべ)を垂(た)れております。

彼らはこの下界に属するものでしたが、あなたは彼らをあなたの王国に迎え入れ給いました。彼らは欠乏(けつぼう)と喪失(そうしつ)の荒野(こうや)にあえぐ枯(か)れた草木のようでしたが、あなたは彼らを知識と理解の花園に育つ苗木となし給いました。彼らの口は閉(と)ざされていましたが、あなたは彼らに語らせ給いました。彼らは意気消沈しておりましたが、あなたは彼らに光を注(そそ)ぎ給いました。彼らは乾(かわ)ききった不毛(ふもう)の土地のようでしたが、あなたは彼らを深遠なる意味に富(と)むバラ園に変え給いました。彼らは人の世の幼(おさ)な子(ご)のようでしたが、あなたは彼らが天来の成熟に到達できるようなし給いました。

おお、親切なる御方よ。あなたのご庇護(ひご)のもとに彼らに安息所(あんそくじょ)と避難所(ひなんじょ)を与え、彼らを試練や困難より守り給え。あなたの見えざる援助を彼らに与え、あなたの誤りのないご恩寵(おんちょう)を彼らに垂(た)れ給え。

おお、親切にして最愛なる主よ。彼らは肉体のごとくであり、あなたは生命の精神であります。そして、肉体の新鮮さと美(び)は精神のもたらす恩寵に依存します。したがって、彼らはあなたの確証(かくしょう)を必要とし、この新たな啓示に宿(やど)る聖霊(せいれい)が与える活力を渇望(かつぼう)しております。あなたは威力(いりょく)に満ちた御方におわします。あなたは与え給う御方、養い給う御方、授け給う御方、許し給う御方におわします。そして、あなたは見えざる領土より明るく輝く御方におわします。

（６）

おお、神聖なる摂理(せつり)よ。当惑(とうわく)を誘う困難が起こり、克服し難(がた)い障害物がその姿を現わしております。おお主よ。これらの困難を除去し、あなたの強大さと威力(いりょく)の証(あかし)を示し給え。苦難を和(やわ)らげ、この険(けわ)しい道を進む私どもの行く手を均(なら)し給え。おお、神聖なる摂理よ。これらの障壁は険しく、無数の逆境が私どもの労苦と困難に結びついております。あなたの他に援助者はなく、救助者もありません。私どもはすべての望みをあなたに託し、すべての事柄をあなたのご配慮に委(ゆだ)ねます。あなたは導き給う御方におわし、すべての困難を除去し給う御方におわします。また、あなたは聡明(そうめい)におわし、すべてを見給う御方、すべてを聞き給う御方におわします。

（７）

おお、慈悲(じひ)なる神よ。おお、全能なる御方よ。私はか弱く無力で、ひ弱な僕(しもべ)に過ぎません。しかし、私はあなたのご恩寵(おんちょう)とご愛顧(あいこ)の避難所(ひなんじょ)で養育され、あなたの慈悲の乳房(ちぶさ)より栄養を賜(たまわ)り、あなたのご慈愛(じあい)の御胸(むね)で育った者であります。おお主よ。私は貧しく困窮(こんきゅう)する者でありますが、あらゆる困窮者はあなたの恩恵によって栄(さか)える者であり、一方、あなたの恩恵を奪われたあらゆる富者(ふしゃ)はまことに貧しくわびしい存在であります。

おお、神聖なる摂理(せつり)よ。試練の威力(いりょく)はあまりにも大きく、困難の猛襲(もうしゅう)はあまりにも悲痛なものであるため、すべての山々は塵(ちり)と化し、最も高い峰(みね)も無と化すほどであります。故(ゆえ)に、この重荷に耐える力を私に与え、この崇高なる賜物(たまもの)を守りきることができるようなし給え。ご存知のように、私の心はあなたの記憶以外に何も求めず、私の魂(たましい)はあなたの愛以外に何も望みません。あなたの愛し給う人々への奉仕に私を立ち上がらせ、あなたの御敷居(しきい)における隷属(れいぞく)に永遠にとどまることを許し給え。あなたは愛し給う御方におわし、数限りない恩恵の主にまします。

（８）

おお、神聖なる摂理(せつり)よ。私を目覚めさせ、意識ある者となし給え。あなた以外のすべてのものから離脱(りだつ)できるようになし、あなたの美(び)に対する愛の虜(とりこ)となし給え。聖霊(せいれい)の息吹(いぶき)を私の上に漂わせ、アブハの王国の呼び声に耳を傾けることを許し給え。天来の威力(いりょく)を授け、私の心の最奥(さいおう)なる部屋に心霊(しんれい)のランプを灯(とも)し給え。私があなたの御心に沿うこと以外の望みを抱かず、あなたの御顔以外を求めず、あなたの道以外を歩むことなきよう、すべての束縛から解き放ち、あらゆる愛着から救い給え。私をして、無思慮(むしりょ)な人々を思慮深くなし、眠りにある人々を目覚めさせ、渇(かわ)きにあえぐ人々に生命の清水を与え、病(やまい)に伏(ふ)す人々に神聖なる癒(いや)しを届けることを許し給え。

私は卑(いや)しく、貧しく、みすぼらしい存在ではありますが、あなたは私の安息所(あんそくじょ)であり、避難所(ひなんじょ)、支持者にして援助者におわします。万人(ばんにん)が驚嘆(きょうたん)するほどにあなたの援助を下し給え。おお神よ。まことに、あなたは全能者におわし、最も力強い御方、与え給う御方、授け給う御方、すべてを見給う御方におわします。

（９）

彼こそは神におわします。

おお神よ、わが神よ。私はあなたに顔を向け、あなたの治癒(ちゆ)の大海(たいかい)よりあふれ出るものを求めて嘆願(たんがん)しております。おお主よ、あなたの民(たみ)に奉仕し、あなたの僕(しもべ)らを癒(いや)すことができますよう、私を恩寵(おんちょう)深く助け給え。あなたの援助があれば、私の施(ほどこ)す治療はすべての病(やまい)を癒す医薬(いやく)となり、すべての焼けるような渇(かわ)きに効(き)く生命の清水となり、すべての切望する心を鎮(しず)める妙薬(みょうやく)となりましょう。また、もしあなたの援助がなければ、その治療は病(やまい)そのものとなり、私は、いかなる魂(たましい)にも癒しをもたらすことは、ほとんどできないでしょう。

おお神よ、わが神よ。病(や)める者を癒(いや)すことができますよう、あなたの威力(いりょく)により私を助け、援助し給え。まことに、あなたは治癒し給う御方、すべてに満ち足り給う御方、すべての苦痛や疾病(しっぺい)を除去し給う御方、すべてを支配し給う御方におわします。

（１０）

おお主よ。私にあなたのご恩寵(おんちょう)とご慈愛(じあい)、ご配慮とご庇護(ひご)、あなたの避難所(ひなんじょ)と恩恵(おんけい)の分け前を与え給え。私の最後の日々が最初の日々に優(まさ)り、私の生涯(しょうがい)の終末があなたの無数の恩恵への扉を開くものでありますように。ご慈愛と恩恵を私の上に絶えず降り注ぎ、一息ごとに御許(ゆる)しと慈悲(じひ)を賜(たまわ)りますよう嘆願いたします。高く掲(かか)げられたあなたの御旗(はた)の下陰(したかげ)に守られて、ついには、すべてに賛美される御方の王国に行くことができますように。あなたは与え給う御方におわし、常に愛情を注ぎ給う御方にまします。まことに、あなたはご恩寵とご恩恵の主におわします。　

（１１）

おお、養い給う御方におわし、許し給う御方よ。気高い魂(たましい)が実在の王国に昇り、この死すべき塵(ちり)の世から永遠につづく栄光の領土へ急ぎました。この新たなる来客の地位を高め、その長く仕(つか)えた僕(しもべ)を新たな素晴(すば)らしき衣(ころも)で装(よそお)わせ給え。

おお、比類なき主(しゅ)よ。この魂があなたの神秘(しんぴ)の安息所(あんそくじょ)に迎え入れられ、光輝(こうき)あふれる集まりの中で親しく交(まじ)わる友となれますよう、あなたの許しと優しいご配慮を垂(た)れ給え。あなたは与え給う御方、授け給う御方、常に愛情を注ぎ給う御方にまします。そして、あなたは許し給う御方、お優しい御方、力に満ち給う御方におわします。

（１２）

彼こそは神におわします。

おお、許し給う主(しゅ)よ。この僕(しもべ)らは気高い魂(たましい)であり、彼らの輝く心は、あなたの導きの光に照らされ、燦然(さんぜん)と光り輝きました。彼らはあなたの愛の美酒(びしゅ)がなみなみと注がれた聖杯(せいはい)を飲み干し、あなたの知識の調(しら)べによって伝えられた永遠なる神秘(しんぴ)に耳を傾けました。彼らは心をあなたに結びつけ、あなたから遠く引き離そうとする誘惑(ゆうわく)から自らを解き放ち、あなたの一体性にしっかりとすがりました。これらの尊い魂を天上の住人の友となし、あなたの選ばれし人々の輪(わ)に迎え入れ給え。天上の領土の安息所(あんそくじょ)において、あなたの神秘に親しく交(まじ)わる者となし、光の大海に浸(ひた)らしめ給え。あなたは授け給う御方、光り輝く御方、親切なる御方におわします。

（１３）

おお、神聖なる摂理(せつり)よ。あなたの御敷居(しきい)に仕えるこの僕(しもべ)の父母をあなたの御許(ゆる)しの大海に浸(ひた)らしめ、すべての罪や過(あやま)ちより清め、聖別(せいべつ)し給え。彼らにあなたの御許(ゆる)しと慈悲(じひ)を授け、あなたのお情け深い容赦(ようしゃ)を与え給え。まことに、あなたは容赦し給う御方、常に許し給う御方、あふれんばかりの恩寵(おんちょう)を授け給う御方におわします。おお、許し給う主(しゅ)よ。私どもは罪人(つみびと)ではありますが、あなたの御約束と保証に望みを託しております。私どもは過ちの暗闇に包囲されておりますが、常に、あなたの豊かなる恩恵(おんけい)の曙(あけぼの)に顔を向けております。あなたの御敷居(しきい)にふさわしいままに私どもをあしらい、あなたの御宮居(みやい)に値するものを授け給え。あなたは常に許し給う御方、容赦し給う御方、あらゆる短所を見逃し給う御方におわします。

（１４）

おお、親切なる主(しゅ)よ。私の心をあらゆる愛着から清め、魂(たましい)を歓喜(かんき)の吉報(きっぽう)で喜ばせ給え。友や見知らぬ者への愛着から解放し、あなたの愛の虜(とりこ)となし給え。己(おのれ)のすべてをあなたに捧げ、 熱烈なる歓喜に満たされ、あなたの他の何ものをも望まず、あなたの他の何ものをも求めず、あなたの道以外の道を歩まず、あなたのみと親しく交(まじ)わり、小夜鳥(さよどり)のようにあなたの愛に魅了(みりょう)され、日夜ため息をつき、嘆き悲しみ、涙して、「ヤー・バハオル・アブハ」と声高らかに叫(さけ)ぶことができますように。

（１５）

おお主(しゅ)よ。あなたは何(なん)と多くの恵(めぐ)みを授け、何(なん)と豊かな恩寵(おんちょう)の洪水を与え給うたのでしょうか。あなたはすべての心を一つのようになし、すべての魂(たましい)を結びつけ、一つの魂のようになし給いました。あなたは生気のない身体に生命と感情を授け、活気のない骨格に精神がもたらす意識を付与し給いました。あなたは、慈悲に満ち給う御方の昼の星が放つ光輝(こうき)をもって、これらの塵(ちり)の原子(げんし)に目に見える実在を付与し、一体性の大海のうねりにより、儚(はかな)い水滴を轟々(ごうごう)と打(う)ち砕(くだ)ける波となし給いました。

おお、一本の藁(わら)に山の強大さを付与し、一片(いっぺん)の塵(ちり)に輝く太陽の栄光を映し出すことを可能にし給う全能者よ。私どもが世界の人々の前で恥(は)じ入(い)ることなきよう、あなたの大業(たいぎょう)への奉仕に立ち上がれますように、お優しいご恩寵とご愛顧(あいこ)を与え給え。

（１６）

おお、全能におわす主(しゅ)よ。私どもは皆(みな)あなたのご威力(いりょく)の強大なる御手(て)の中にあります。あなたは私どもの支持者におわし、援助者にまします。私どもにあなたのお優しき慈悲(じひ)を与え、御恵(めぐ)みを授け、ご恩寵(おんちょう)の御扉(とびら)を開き、ご愛顧(あいこ)の眼(まな)差(ざ)しを向け給え。生気を与える微風を私どもの上に漂わせ、切(せつ)なる思いに満ちた私どもの心を活気づけ給え。私どもの目を明るくなし、心の聖域を、花が咲き誇るすべての庵(いおり)の羨望(せんぼう)の的(まと)となし給え。すべての魂(たましい)を喜ばせ、すべての精神を歓喜に満たし給え。いにしえより続くあなたの威力を現わし、偉大なる御力を示し給え。人の魂の鳥を新たなる高みにまで舞い上がらせ、あなたの信頼し給う、この俗界(ぞっかい)に生きる友らにあなたの王国の神秘(しんぴ)を知らしめ給え。私どもの歩みを確かなものとなし、揺(ゆ)るがぬ心を授け給え。私どもは罪人(つみびと)であり、あなたは常に許し給う御方におわします。私どもはあなたの僕(しもべ)であり、あなたは至上の主におわします。私どもは故郷(さと)のない放浪者(ほうろうしゃ)であり、あなたは私どもの避難所(ひなんじょ)におわし、安息所(あんそくじょ)にまします。あなたの甘美(かんび)なる芳香(ほうこう)を広め、御言葉(ことば)を称揚(しょうよう)できますよう、私どもを恩寵深く援助し、助け給え。すべてを奪われた人々の地位を高め、困窮者(こんきゅうしゃ)にあなたの尽きることのない富より分け与え給え。弱き者にあなたの御力を付与し、か弱い者に天来の威力を与え給え。あなたは、与え給う御方、ご恩寵深き御方、すべてに君臨(くんりん)し給う主におわします。

（１７）

彼は最も神聖にして、最も栄光ある御方におわします。

憐(あわ)れみ深く、慈悲(じひ)深き神の御名において。すべての世界の主(しゅ)におわす神に賛美あれ。

おお、主なるわが神よ。おお、私の安息所(あんそくじょ)におわし、避難所(ひなんじょ)におわす御方よ。最も素(す)晴(ば)らしい称賛(しょうさん)の言葉や、最も雄弁(ゆうべん)な賛美の詩(うた)をもってしても、どうしてあなたについて適切に述べることができましょう。おお、全能者におわし、許し給う御方よ。あなたの全能なる御力のしるしのたった一つでも称賛し、あなたが創造し給うた御言葉(ことば)の一つでも称揚(しょうよう)しようと試(こころ)みるとき、いかなる雄弁な者も言葉に詰(つ)まり、また、いかなる人間のペンや舌が語る賛美の表現もうろたえることを私は十分、認識しております。まことに、人間の心の鳥は、あなたの神聖さの大空へ舞い上がろうとして翼(つばさ)が折れ、空虚(くうきょ)な妄想(もうそう)の蜘蛛(くも)は、あなたの知識の天蓋(てんがい)の最上の峰(みね)にそのもろい巣を張ることはできません。従って、私には自らの無力と短所を認める以外に頼みの綱(つな)はなく、貧困と欠乏の深淵(しんえん)以外に住処(すみか)はありません。まことに、悟(さと)りの真髄(しんずい)は、あなたを理解する力は全くないと知ることであり、あなたの御前に達する唯一の方法は、自らの短所を告白することであり、真の富の源(みなもと)は、自らの貧困を認めることであります。

おお主よ。私とあなたの誠実な僕(しもべ)らが、あなたの崇高なる御敷居(しきい)に仕(つか)えることができますよう恩寵(おんちょう)深く助け給え。あなたの天来の神聖さに向けた私どもの懇願(こんがん)を強め、あなたの一体性の御扉(とびら)の前で私どもが謙虚(けんきょ)で、従順であるようなし給え。おおわが主よ、あなたの道における私の歩みを確固たらしめ、私の心をあなたの神秘(しんぴ)の天上より注がれる光り輝く光線で照らし給え。あなたの容赦(ようしゃ)と御許(ゆる)しの楽園から漂う、心震(こころふる)わせる微風で私の精神を活気づけ、あなたの聖なる草原から届く蘇生(そせい)の息吹(いぶき)で私の魂(たましい)を喜ばせ給え。私の顔をあなたの一体性の地平線上に輝かせ、私があなたの誠実な僕(しもべ)の一人と見なされ、あなたの確固不動なる奉公人(ほうこうにん)の中に数えられることを許し給え。

（１８）

おお、主(しゅ)よ、我(われ)らの神よ。私どもは無力であり、あなたは御力と威力(いりょく)の主におわします。私どもは哀(あわ)れであり、あなたは全能にして栄光に満ち給う御方におわします。私どもは貧しく、あなたはすべてを所有し給い、最も寛大なる御方におわします。あなたの聖なる御敷居(しきい)への私どもの隷属(れいぞく)を恩寵(おんちょう)深く援助し、力を授けるご恩寵により、あなたの賛美の黎明(れいめい)の場(ば)であなたを礼拝することができるよう助け給え。あなたの聖なる芳香を創造物の間に広め、僕(しもべ)らの中であなたに奉仕できるよう、私どもの腰を強め給え。それにより、私どもが、すべての国々をあなたの最大名(さいだいめい)に導き、すべての人々をあなたの一体性の栄光あふれる大海の岸辺に導くことができますように。

おお主よ。私どもが至高の喜びと輝きをもって御言葉(ことば)の称揚(しょうよう)に立ち上がり、朝な夕なにあなたへの賛美に勤(いそ)しみ、すべての人々を教導(きょうどう)の道に招き、正義に従うよう勧告し、あなたの一体性の聖句を全創造物の間で唱えることができますよう、この世とその人々に対する執着より私どもを解放し、これまでの過(あやま)ちと、これからの苦しみより救い給え。まことに、あなたは御力に満ち、最も強大なる御方におわします。

（１９）

彼こそは神におわします。

おお、ご親切にして最愛なる主(しゅ)よ。これらの友は聖約(せいやく)の美酒(びしゅ)に歓喜し、あなたの愛の荒野(こうや)をさまよっております。彼らの心は、あなたから遠く隔(へだ)てられていることの炎(ほのお)によって消耗(しょうもう)し、あなたの光輝(こうき)の出現を切望しております。隠された領土たる、目に見えぬあなたの王国より、あなたの恩寵(おんちょう)の光り輝く栄光を彼らに示し、あなたの恩恵(おんけい)の輝きを注ぎ給え。絶えることなく、新しい祝福を下し、新たな恵(めぐ)みを現わし給え。

おお、神聖なる摂理(せつり)よ。私どもは弱く、あなたは最も強力なる御方におわします。私どもは小さな蟻(あり)に等しく、あなたは栄光の領土の王におわします。私どもが炎(ほのお)を燃え立たせ、その光を広く伝え、力を示し、何らかの奉仕を捧げることができますよう、御恩寵(おんちょう)を授け、御恵(めぐ)みを垂(た)れ給え。この暗闇に包まれた地上に光を照らし、この束(つか)の間(ま)の塵(ちり)の世に精神性をもたらすことができるようなし給え。一瞬たりとも休息を求めず、人生の儚(はかな)い事物(じぶつ)で自らを汚(けが)すことなきよう助け給え。私どもが教導(きょうどう)の宴(うたげ)を準備し、自らの血潮(ちしお)で愛の聖句を書き記(しる)し、恐怖と危難(きなん)を後(あと)にし、たわわに実を結んだ木のようになり、この束(つか)の間(ま)の世に、人間の諸々(もろもろ)の完全性を現わすことができるようなし給え。まことに、あなたは恩恵(おんけい)にあふれ、最も憐(あわ)れみ深く、常に許し給い、容赦(ようしゃ)し給う御方におわします。

（２０）

彼は栄光に満ち給う御方におわします。

おお、わが主(しゅ)よ、わが王よ、わが統治者、わが主権者よ。私は自らの舌と心と魂(たましい)をもってあなたに呼びかけております。この僕(しもべ)にあなたのご配慮の衣(ころも)と、確実なる援助の衣服(いふく)と、保護の鎧(よろい)をまとわせ給え。あなたの民(たみ)の中であなたについて述べ、あなたの美徳を称(たた)えることができるよう、この僕(しもべ)を助け給え。また、あなたの一体性と神聖さを称えるすべての集会において、あなたのご栄光と賛美を唱えることができますようこの僕(しもべ)の舌を緩(ゆる)め給え。まことに、あなたは強大にして力に満ち給う御方、すべてに栄光ある御方、御自力(じりき)にて存在し給う御方におわします。

（２１）

おお、ご親切なるわが主(しゅ)よ、わが心と魂(たましい)の願望にまします御方よ。あなたの友らにご慈愛(じあい)を授け、尽きることのない慈悲(じひ)を授け給え。あなたを熱烈に愛する人々の悲しみを和(やわ)らげ、あなたを切(せつ)に求める人々の友となり、慰(なぐさ)める者となり、愛情あふれる伴侶(はんりょ)となり給え。彼らの心はあなたの愛の炎(ほのお)で燃え盛り、彼らの魂はあなたへの献身の火で夢中になっております。彼らは喜んで命を捧げるために、ひとり残らずあなたの愛の祭壇(さいだん)に急ぎ行(ゆ)くことを切望しております。

おお、神聖なる摂理(せつり)よ。彼らに好意を授け、正しく導き、彼らが精神的勝利を得ることができるよう恩寵(おんちょう)深く援助し、天上の賜物(たまもの)を授け給え。おお主よ、あなたの寛大さと恩寵を通じて彼らを助け給え。そして、彼らの輝く顔を、あなたについての知識に捧げる集会で教導(きょうどう)のランプとなし、あなたの聖句が説(と)かれる集(つど)いで天来の恩恵(おんけい)のしるしとなし給え。まことに、あなたは慈悲深き御方におわし、ご恵沢(けいたく)に富(と)み、すべての人々がその助けを乞(こ)う御方におわします。

（２２）

彼は栄光に満ち給い、最も光輝(こうき)ある御方におわします。

おお、神聖なる摂理(せつり)よ。おお、許し給う主(しゅ)よ。どうして私が、あなたを適切に賛美し、十分に崇拝し、称(たた)えることができましょう。いかなる舌(した)が発するあなたについての描写(びょうしゃ)も、誤(あやま)り以外の何ものでもなく、いかなるペンが書き記(しる)すあなたに関する叙述(じょじゅつ)も、この果(は)たし得(え)ない課題を試(こころ)みる愚(おろ)かさの証明以外の何ものでもありません。舌は物質によって構成される道具に過ぎず、声や発言は偶発(ぐうはつ)的(てき)な属性(ぞくせい)でしかありません。ならばどうして、俗界(ぞっかい)の声を発する道具をもって、唯一(ゆいいつ)無二(むに)なる御方の賛美を語ることができましょう。私が声にすること、または、求め得(う)ることは、人間の知性が理解できる範囲にとどまり、人の世の限界に封(ふう)じられております。人間の思考が、どうして、聳(そび)え立つ神聖さの頂(いただ)きを登りつめることができましょう。空虚(くうきょ)な妄想(もうそう)の蜘蛛(くも)が、どうしてその虚(むな)しい空想のもろい巣を、神聖さの安息所(あんそくじょ)に張ることができましょう。私には、自らの無力なることを証言し、自らの失敗を告白すること以外に何もできません。まことに、あなたはすべてを所有し給う御方、近づき難(がた)い御方、理解力を賦与(ふよ)された者の理解を遥(はる)かに超えた御方におわします。

（２３）

おお、神聖なる摂理(せつり)よ、あなたは常に許し給う御方におわします。おお、全能なる神よ、あなたは恩寵(おんちょう)に満ち給う御方におわします。あなたの親愛なるこの僕(しもべ)が、あなたの栄光の下陰(したかげ)に住み、この哀(あわ)れで卑(いや)しい者があなたの慈悲(じひ)の境内(けいだい)で栄(さか)え、繁栄(はんえい)することを許し給え。この僕(しもべ)に、あなたのお側(そば)近く侍(はべ)るという聖杯(せいはい)から飲ませ、祝福された木の陰(かげ)にとどまることを許し、あなたの御前に達することの栄誉を授け、永遠の至福を与え給え。この崇高な魂(たましい)の遺族(いぞく)が、愛する父の残した足跡をたどり、すべての人々の中でその父の表した人格と行動を示し、あなたの道を歩み、あなたのお喜びになることを求め、あなたの賛美を語ることができるよう、彼らを恩寵深く助け給え。あなたは永遠に愛し給う神におわし、御恵(めぐ)みの主におわします。

（２４）

おお、比類なき神よ。私どもはあなたの謙虚(けんきょ)な僕(しもべ)であり、あなたは栄光に満ち給う御方におわします。私どもは罪人(つみびと)であり、あなたは常に許し給う御方におわします。私どもは貧しく卑(いや)しい囚(とら)われ人(びと)であり、あなたは私どもの避難所(ひなんじょ)におわし、援助者におわします。私どもは小さな蟻(あり)に等しく、あなたは至高の天上の玉座(ぎょくざ)に座(ざ)す荘厳(そうごん)なる主(しゅ)におわします。御恩寵(おんちょう)の証(あかし)として私どもを守り、あなたの配慮と援助を差(さ)し控(ひか)え給わぬよう嘆願いたします。おお主よ。あなたからの試練はまことに厳しく、また、あなたからの苦難は鋼鉄(こうてつ)の基盤(きばん)をも破壊するほどのものであります。私どもを保護し、強くなし給え。私どもの心を喜ばせ、歓喜に満たし給え。アブドル・バハがなさるように、私どももあなたの聖なる御敷居(しきい)で奉仕できるよう恩寵(おんちょう)深く援助し給え。

（２５）

彼こそは神におわします。

おお神よ、わが神よ。私は熱意と謙虚(けんきょ)と献身をもって、完全に謙(へりくだ)り自らの舌と心、精神と魂(たましい)、知力と良心を通じてあなたに嘆願(たんがん)いたします。この家族は、あなたの輝く夜明けにあなたの庇護(ひご)の下陰(したかげ)に急ぎ、あなたの避難所(ひなんじょ)とあなたの強大なる砦(とりで)に安息所(あんそくじょ)を求めました。彼らの最も切(せつ)なる願いを叶(かな)え、最も称賛(しょうさん)に値する行いを運命づけ、すべての栄誉と完成、ご愛顧(あいこ)と美(び)、繁栄(はんえい)と救済(きゅうさい)を定め給え。まことに、これらの魂はあなたの呼びかけに応(こた)え、あなたの御敷居(しきい)に近づき、あなたの愛の炎(ほのお)に燃え盛り、あなたの神聖なる息吹(いぶき)に我(われ)を忘れました。彼らは、休むことなくあなたの大業(たいぎょう)に奉仕し、あなたの御顔の前で謙虚であり、あなたの庇護の下陰で高貴でありました。そして、あなたの人々の間であなたの御名を掲(かか)げる者として広く知られ、あなたの僕(しもべ)らの中であなたについて語っております。

おお神よ、わが神よ。いにしえより続くあなたの栄光で彼らを高め、あなたの荘厳(そうごん)なる王国において栄誉を授け、この偉大なる日におけるあなたのご愛顧(あいこ)の軍勢(ぐんぜい)を通じて援助し給え。おお主よ、わが神よ。彼らの旗印(はたじるし)を高く掲(かか)げ給い、あなたの保護の分け前を彼らに、より豊富に授け、彼らのしるしを広め、彼らの光輝(こうき)をいや増(ま)し給え。それにより、彼らがあなたの豊かなご好意のランプの火屋(ほや)となり、あなたの慈愛(じあい)と恩恵(おんけい)を広める者となりますように。

おお主よ、わが神よ。寂(さみ)しさの中で彼らの伴侶(はんりょ)となり、苦悩(くのう)の時、あなたの援助で包み給え。あなたの書を彼らに授け、大いなる賜物(たまもの)と贈物(おくりもの)を十分に与え給え。まことに、あなたは御力と威力(いりょく)の御方におわし、恩寵(おんちょう)深く、恩恵(おんけい)にあふれ給う御方におわします。そして、まことにあなたは慈悲(じひ)深き御方、憐(あわ)れみ給う御方におわします。

（２６）　

おお、恩恵(おんけい)に富(と)み、恩寵(おんちょう)にあふれる主(しゅ)よ、

私の最も内なる心と魂(たましい)は、あなたの知識を喜んで受け入れます。

夜明けどき、私の魂を慰(なぐさ)めるのはあなた以外にはなく

あなたのみが、私が被った喪失と悲哀を知る御方におわします。

あなたについて述べることを一瞬でも味わった心は

あなたを切望することの苦悩(くのう)以外に友を求めません。

あなたを求めてため息をつかない心は萎(しお)れ、

あなたを求めて涙を流さない目ならば、見えない方がいいのです。

私が最も深い闇(やみ)に包まれる時、おお御力の主よ、

私の心には、あなたの記憶という輝く光があります。

あなたの恩恵として、あなたの精神を私に吹き込み給え、

それにより、かつては存在すらしなかったものが、永遠の存在となりますように。

おお恩恵の主よ、私どもの長所や価値には御目(め)を向け給わず

むしろ、あなたが放ち給う恩寵(おんちょう)のみを見そなわせ給え。

翼(つばさ)が折れ、飛ぶに飛べないこれらの小鳥に、

あなたのご慈愛(じあい)により新たな翼を授け給え。